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アップルの脱炭素が取引先に波紋 部品メーカー、対応に苦慮

 米アップルが表明した脱炭素化の取り組みが波紋を広げている。2030年までに二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする野心的な計画で、スマートフォンの部品を納める世界の取引先にも対応を要求。対応に苦慮する企業も出ている。アップルなど米巨大ITの方針が事実上の「国際標準」となり、大きな影響を与える可能性がある。

 「歴史的な緊急事態で、全ての国や企業、地域社会のリーダーは行動する重責がある」。12日に開かれた温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」採択5年を記念した国連のオンライン会合。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、各国首脳に交じってビデオ演説し脱炭素化の重要性を訴えた。

 アップルのCO2排出ゼロ計画は、国連が定めた目標達成時期より20年も早い。アップルが事業活動で排出するCO2の半分はスマホなどの製造段階だ。そのため、全ての部品メーカーに風力や太陽光といった再生可能エネルギーを利用した作業を求めている。

 日本のメーカーにも衝撃を与えている。スマホのカメラ部品を製造するソニーなどの首脳は先月、河野太郎規制改革担当相に「日本では思うように再エネを調達できない」と窮状を吐露。アップルの計画を「深刻な事例」として紹介し、再エネ導入を促進する規制緩和を求めた。

 米巨大ITでは、マイクロソフトが30年までに、アマゾン・コムは40年までにCO2排出を実質ゼロにする計画だ。日本の菅政権は50年の脱炭素化社会実現を掲げるが、民間レベルは前倒しの対応を迫られそうだ。(ニューヨーク 共同)

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