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電機大手「家電頼み」脱却急ぐ“鬼滅”ソニー筆頭に他分野集中     

 かつて家電を看板製品としていた電機大手で収益構造の変化が目立っている。

 ソニーは傘下のアニプレックス(東京)などが配給するアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が国内興行収入歴代1位となり業績に貢献しそうだ。ゲームや金融の両事業も好調に推移している。日立製作所はITを活用した企業向けデジタル事業、東芝は再生可能エネルギー事業へのシフトを加速する。

 新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり需要」で家電には「バブル」が起きた。ただ特需が長く続くとは考えにくい。海外メーカーとの競争が激しい家電から、他分野へ移行する流れは変わらなそうだ。

 「鬼滅の刃」の興行収入は324億円と「千と千尋の神隠し」(316億円)を超えた。ソニーは米大手アニメ配信サービス「クランチロール」運営会社を約1200億円で買収し娯楽事業を一段と強化する。11月に新型機「プレイステーション5」を発売したゲーム事業は2020年9月中間連結決算で営業利益の4割を占め、金融も2割程度に達する。祖業の家電は1割にとどまる。

 日立製作所はあらゆる機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」の独自基盤「ルマーダ」を使った企業向けのサービスに注力する。東原敏昭社長は「社会イノベーション(革新)のための切り札だ」と意気込む。「Wooo(ウー)」ブランドで展開していたテレビ生産は撤退した。白物家電の海外事業では新会社を設立し、新会社株式60%をトルコ企業に売却する。

 東芝は「レグザ」で知られるテレビ事業を中国の海信集団(ハイセンス)、「ダイナブック」が一世を風靡(ふうび)したパソコン事業はシャープにそれぞれ売却した。白物家電事業は中国の美的集団の傘下に入った。東芝は22年度までに再生可能エネルギー分野に1600億円を投じるなど経営資源を集中する。

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