地域で光る・デジタルで変わる中小企業

(PR)ICTを活用して地域を牽引 オンリーワン企業が目指す顧客本位の経営 田島軽金属(埼玉県)

「人員は増えているのに、なぜか人手は足らないまま。これでは儲かるものも儲からない」

 埼玉県羽生市で、アルミ鋳造を手掛ける株式会社田島軽金属の田島正明社長はこう語り、危機感をあらわにした。2020年10月、30代を中心とした若手役職者10人で組織するプロジェクトチームに無駄な業務の徹底した洗い出しを命じた。

「これは無駄」「これは必要」という業務を2カ月間で調査。チームが不必要と判断した業務をなくしていく。部長をはじめとする上司には口を挟まないよう命じ、社長権限で実行するという。 「これくらいのことをしないとアジアには勝てません」。田島社長は業務最適化に強い意欲をみせた。

 大型の受注がひと段落し、人員に余裕ができるはずだったが、社内から「人が余っている」という声は一つも上がらなかったという。「うちだけのことか」と思っていると、多くの企業が同じ状況に陥っていることがわかってきた。「これまでなかった帳票ができていたり、別の部署で 同じようなデータを作成していたり。みんな上司が仕事を勝手に作っている。これをいかに無くすか。プロジェクトチームに与えたテーマです」。

「人手を増やすと仕事も増え続ける」。これは、英国の歴史学者パーキンソン氏が1950年代に指摘した“法則”の一つだ。

 顧客のニーズを把握する活動や顧客への提案活動なら、顧客満足の向上や企業力の強化、売上につながるが、社内間の仕事は、自己満足に陥りやすく、社員が顧客を見ないで上司を見るという最悪の状況に陥ることもある。

さまざまな「出会い」が生んだ成長

 田島軽金属は創業以来、一貫して砂型鋳型によるアルミ鋳物を手掛けてきた。産業ロボットの部品やCTスキャンや診察台などの医療機器、新幹線をはじめとする鉄道車両、船舶のエンジン部品など幅広い分野に利用されている。大型のアルミ鋳造も得意としており、東京・銀座や渋谷の有名店の外装装飾にも使われている。

 アルミ基複合材料(MMC)と呼ばれる軽量で頑丈なアルミ材の鋳造技術(アルミ合金にセラミックス<炭化ケイ素の粉末>を30%複合した金属の鋳造技術)を国内で初めて開発。 地域経済への影響力が大きく、地域経済の牽引に大きな役割を果たしている企業を選定した経済産業省の「地域未来牽引企業」にも名を連ねる“小さな大企業”だ。

 鋳物の町として知られる創業の地、埼玉県川口市から1994年に羽生市に移転。当時、10人ほどだったという。「父の家業を継いだ当時、すし店で使われる玉子焼き用のフライパンを製造していました。引き継いでわずか1、2年で取引先の相次ぐ倒産で存続の危機に直面しました」と田島社長は振り返る。追い込まれて連鎖倒産も頭をよぎったが、当時、出会ったアルミ鋳造組合の先輩経営者から「お前はまだ若いから頑張れ!」と声を掛けられ、「やめるのをやめました」。「今でも、業界の先輩や仲間に支えられてここまでこれた、ということを実感します」。

 そんな小さな町工場が大きな成長を遂げる大きなきっかけとなったのが、MMCとの出会いだった。

 MMCのライセンスを持つ企業が田島社長のもとを訪れ、鋳造技術開発の協力を求めた。一度は断ったものの、「どこの鋳造会社も引き受けてくれない」と再度協力を要請。結局、引き受けたが、鋳造には難しい鋳造技術が求められた。まだ、海のものとも山のものともなるのか分からない素材。2年間、試行錯誤の末、実用化の技術を確立すると、多くの企業から受注を獲得し、成長の礎を築いた。

「開発では、大学の先生や業界団体にもさまざまなアドバイスをいただいた。ここでも、多くの出会いが会社を支えくれました」と田島社長は話してくれた。

「図面比較」をICT化、業務効率化の大きな足掛かりに

 MMCの技術を原動力に事業が拡大する一方で、大きな課題として浮かび上がってくるのが効率性だ。

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(提供 株式会社リコージャパン)

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