2021 成長への展望

オリンパス社長・竹内康雄さん 医療のグローバル企業へ投資を継続

 --新型コロナウイルスの影響と今後の見通しは

 「コロナへの対応力が出て、それに慣れてまた感染者が増えてという波は、これからも繰り返すだろう。この間の事業への影響は限られているが、完全に元に戻るにはもう少し時間がかかるのではないか」

 --メドテック(医療テクノロジー)企業を目指し、主力の医療以外の事業ポートフォリオ(組み合わせ)をどう考えているか

 「今期は映像事業の選択と集中に取り組んだが、続いて科学事業について、顕微鏡が主な製品のライフサイエンス分野は医療事業との親和性も高く、その強みを生かしていく。一方、工業用スコープなど産業分野は、顧客がグローバルなためコロナ禍前からデジタルマーケティングといった効率化を進めており、全く違う観点から医療事業への貢献を期待している」

 --今後の治療機器事業の方針は

 「M&A(企業の合併・買収)を含めて順調に活動できており、競争力を高める手も打てている。これからも継続的に、より強くなるための投資、弱みを補強する投資を進めていく」

 --1月1日に日本産業パートナーズに譲渡した映像事業の技術や経験を他の分野に活用することは

 「2016年に当時の中期経営計画を発表したときに医療に注力する方向へかじを切った。その後も今後の100年を考え、世の中から『欲しい』と思われる企業にならないといけないとの観点から、医療事業にさらに傾注するという判断になった。その結果として映像事業は譲渡しようという意思決定になっている」

 --映像事業には譲渡後も何らかの関与をするのか

 「譲渡以降、われわれは一切関与しない。ただ、長年続けてきた製品のブランドは非常に重たいものがある。ブランドが変わることは現実的にあり得ず、引き続き使用してもらうことで合意しているが、事業のあるべき方向や戦略そのものにはノータッチになる」

 --映像事業を譲渡することにより優秀な人材が来なくなるといった懸念をどう考えているか

 「カメラ愛用者にはものすごく深い思いを持っている方が多く、映像事業がなくなることは裏切り行為に近いという声もいただく。カメラがなくなって本当に大丈夫なのかと思う方もいるだろう。ただ、粉飾決算事件以降、既にカメラで成り立っている会社ではなくなっていた。映像事業は消費者との接点が医療事業よりも爆発的に多く、いろんな意味でデメリットはあるかもしれないが、医療のグローバル企業になるという中で、譲渡の悪影響はないととらえている」

【プロフィル】竹内康雄 たけうち・やすお 中央大商卒。1980年オリンパス光学工業(現オリンパス)入社。専務執行役員、経営統括室長などを経て、2016年副社長。19年から現職。東京都出身。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus