2021 成長への展望

鹿島社長・押味至一さん 国内外でオープンイノベーションを

 --新型コロナウイルス禍が続く2020年だった

 「国内では施工上の影響は大きくなかったが、アジア各地では都市封鎖となり、海外事業の出来高が上がらず非常に痛手を受けた」

 --コロナ禍ではデジタル化が急速に進んだ

 「社員に生産性を上げる具体策を発想してもらうために、1月1日にデジタル推進室を新設した。当社のシンガポール拠点と連携しオープンイノベーションを国内外で探しに行く。土木、建築、数理などそれぞれの専門知識を持つ人材が集まって企画を立てていろいろなものに挑戦する、社長直轄チームだ。21年春に発表する新中期経営計画の目玉施策となる」

 --政府は脱炭素社会の実現にかじを切った。環境対策への取り組みは

 「中期経営計画を作る中で、環境保全対策をはじめとするESG投資やエネルギー関連の施策について明確に発信したい。廃炉を含む原子力発電や洋上風力発電の施工などに力を入れていく。20年に最終年を迎える中期経営計画では、工事の現場ごとに二酸化炭素(CO2)の正確な排出量を年度ごとに把握する仕組みを設けた。新中期経営計画の下では、そのデータを生かして、50年までに排出量をどう減らすかの計画を立てていく。そのための投資もしなくてはいけない。30年、50年に向け、ESG投資をどう進めるかの道筋を示したい」

 --イノベーション創出に向けた取り組みは

 「建築、土木でのロボット化を目指してきた。当社だけではできないIT技術の活用のために大手企業やベンチャー企業などの力を借りて進めている」

 --20年には清水建設と竹中工務店のゼネコン大手と基本合意書を結んだ

 「協調領域と競争領域を分け、協調したいロボット施工やIoTの分野で連携する。現場の作業が始まる前の夜間に、ロボットが所定のものを全部、所定の位置に運んでおくと、職人は作業当日、現場に来て仕事を始められる。ものを揚重(ようじゅう)するのは非常に大変で、その作業を夜のうちに済ませておくことができれば理想だ」

 --新年はどんな年にしたいか

 「中期経営計画の3カ年の前半は厳しいかもしれないが、後半は前向きにものが動き出すようになればと思う。延期となった東京五輪が開催され、それを契機に少なくとも2~3割は外国人訪日客などが戻って、コロナもある程度抑えられて、状況が好転し始めたと感じられる年にできればいい」

【プロフィル】押味至一 おしみ・よしかず 東京工業大工学部建築学科卒。1974年鹿島入社。専務執行役員関西支社長、副社長執行役員などを経て、2015年から現職。神奈川県出身。

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