2021 成長への展望

三菱自動車最高経営責任者・加藤隆雄さん 好調PHV、環境対応の主力を期待

 --新型コロナウイルスの影響と構造改革の状況は

 「主力のインドネシア、フィリピン市場での影響が特に大きい。感染者の増加や移動制限といった懸念材料がある。ただ、そうした中でも少しずつ回復しており、お先真っ暗というわけではない。コロナ禍以前から、会社自体がもうからない体質になっていた。今後は希望退職、『パジェロ』の生産終了などによる固定費削減の効果が少しずつ出てくる。構造改革は想定以上に進んでいる。社内では、頑張れば業績は復活し、明るい将来が見えてくると思えるようコミュニケーションを取りたい。順当にいけば、2022年3月期の営業損益は黒字化できる見通しだ」

 --電動車比率を30年までに50%にする目標を掲げた。政府も50年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指す

 「中国政府は60年の温暖化ガス排出量の実質ゼロに向けて、企業に支援金を出すなどして産業育成に取り組んでいる。日本政府も目標を示してくれたことはありがたい。電動車では、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の新型『エクリプスクロス』の受注が好調で、注目されていると感じている」

 --PHVの強みは

 「環境に優しく、さまざまな面で世の中に合っている。日本国内の発電事情をみると、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する火力発電の占める割合が高く、電気自動車(EV)が環境に優しいとは決していえない。PHVは購入後の利便性でも優れている。給油しても、充電しても動く。電気が切れたら動かないEVと比べて安心感があり、当面は環境対応車の主力となると期待している」

 --アライアンス(企業連合)を組む日産自動車と軽自動車のEV開発を進めている

 「これまでもEVでは岡山県の水島製作所で『アイミーブ』を生産してきた実績があり、地元のサプライヤーにも技術のノウハウがある。これらと日産の開発力を組み合わせる。自社単独でEV事業で利益を生み出すのは難しい。EVでこそアライアンスの強みが発揮できる」

 --「三菱自動車らしいクルマ」とは

 「今まで取り組んできたことを一気にやめて新しい価値を創出するのは難しい。パリ・ダカールラリーなどで培った安全性、耐久性、試験設備、テストドライバーなど総合的な強みと、PHVやEVの環境性能をうまく組み合わせた良質な商品でブランドイメージを向上させたい」

【プロフィル】加藤隆雄 かとう・たかお 京大工卒。1984年三菱自動車入社。名古屋製作所副所長などを歴任。インドネシア現地法人MMKI社長を経て、2019年6月から現職。三重県出身。

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