2021 成長への展望

大和証券G本社社長・中田誠司さん 戦略の核、不動産・再生エネ投資拡大

 --資産管理型ビジネスモデルへの転換に向けた取り組みは

 「営業員のスキル向上、高度な資産運用分析ツールの実装、それに見合った商品の3つがそろった。ツールを使って、昨年4~11月で総額6兆2000億円の金融資産を分析することができた。多くの資産導入の好事例も発生している。昨年10月には、投資信託の残高に応じて手数料をいただくモデルを試験導入した。順次商品を拡大し、2022年にも総合的な資産管理型商品として本格導入したい」

 --22年春入社に向けた新卒採用の方針は

 「今年度は新型コロナウイルス感染拡大への緊急対応として、昨年6月からの一括採用に加え、通年でエントリーを受け付けた。多様性に富んだ学生の応募があった。来年に向けても同様の形で採用を進めたい」

 --職務範囲を明確にし具体的成果で処遇する「ジョブ型雇用」について、新卒も対象とする動きが広がっている

 「仕事の成果が明確に分かる営業員については、現在も実質ジョブ型を採用しているといえる。本社部門やIT人材でスキルの高い人について、新卒から報酬や入り口(入社直後)のポジション(配置)を変えていくことは考えたい。職務を限定せず、広く人材を採用する『メンバーシップ型』とジョブ型を併用しながら、当社の人材戦略が一番輝く形にしたい」

 --伝統的な証券ビジネス以外の領域に事業を拡大するハイブリッド戦略の進捗(しんちょく)は

 「戦略の核の一つは不動産の資産運用事業だ。運用資産残高は昨年9月末時点の1兆1700億円から、23年度までに1兆5000億円に拡大させたい。もう一つは再生可能エネルギー投資事業も拡大する。菅義偉政権、米国のバイデン新政権の誕生で、世界の再生エネに対する投資や技術革新は加速する。同分野への投資残高は昨年9月末時点の約1300億円から、中長期で3000億円規模を目指す」

 --同じグループの銀行と証券会社で顧客情報の共有を禁じるファイアウオール規制が緩和される方向だ

 「一番大事なのは、顧客本位の観点を盛り込むことだ。日本では、銀行が事業会社に対して、融資だけでなく、株式の保有や人材の出向を通じて深い関係を作ってきた。法人顧客については顧客が停止を求めるまでは情報共有の同意があったものと見なす制度が導入されているが、もしこれが撤廃されると、情報共有を望まない顧客の拒否権がなくなる。それでいいのか、しっかり議論しないといけない」

【プロフィル】中田誠司 なかた・せいじ 早大政経卒。1983年大和証券入社。大和証券グループ本社最高執行責任者(COO)などを経て、2017年4月から現職。東京都出身。

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