2021 成長への展望

東京海上HD社長・小宮暁さん コロナの損失補償、レベル上げ対応

 --新型コロナウイルス禍でみえた課題や今後の取り組みは

 「パンデミックに備えて、全業務をリモートで対応できる体制を組む必要がある。自動車保険の商談や保険金支払いなどはリモートでも対応できるようにした。社員の働き方については、可能な限り一人一人の希望に沿う就業形態を導入する方向で議論している。来年度には試行する可能性がある。顧客対応については対面と非対面のベストミックスを作る」

 --コロナ禍を受けた新しい商品やサービスは

 「年明けから、中小企業向けの主力保険で、新型コロナを対象とする休業補償の提供を始めた。施設で新型コロナ感染者が発生した場合、施設の消毒などにかかった費用を補償する。個人向けでも内容を拡充してきた。新型コロナによる経済的損失をすべて民間保険会社が補償することは難しいが、レベルを上げながらカバーを提供していきたい」

 --脱炭素化の流れは損害保険ビジネスにどんな変化をもたらすか

 「気候変動、自然災害は損保ビジネスと切っても切れない重要な課題だ。気候変動に対して、当社は長い間取り組みを続けている。たとえば再生可能エネルギーの促進に向け、太陽光や地熱、風力、洋上風力を推進する企業や組織に対しパッケージでサポートする保険を提供している。昨年5月には、米子会社を通じて再生エネに特化した保険を取り扱う会社を買収した。脱炭素社会の実現に向け、今後も取り組みのレベルを着実に上げていく」

 --地方創生、地方経済の活性化への取り組みは

 「テクノロジーの進展により、大都市集中型から地方分散型の経済へのシフトに、現実味が出てきた。当社が得意とする中小企業向けの支援を軸に、地域経済の活性化に貢献していきたい。日本の地方にはそれぞれ特産や観光地、技術がある。東京五輪・パラリンピックも日本の魅力を再発見する大事な機会になる」

 --今年3月で東日本大震災から10年だ

 「この10年でテクノロジーが進展し、ドローンや衛星を活用して、迅速な保険金支払いができるようになった。当時は多くの被災者が当座の資金に困っていた。地震保険の保険金をコンビニエンスストアなどで簡単に受け取れる仕組みを作り、同様の仕組みを海外や他の商品にも広げてきた。自然災害の激甚化や頻発を考えると、保険の提供以外に、防災や減災、再発防止、早期復旧などトータルで取り組むビジネスを展開していきたい」

【プロフィル】小宮暁 こみや・さとる 東大工卒。1983年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。2019年6月から現職。東京海上日動取締役会長兼職。神奈川県出身。

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