2021 成長への展望

みずほFG社長・坂井辰史さん DXや脱炭素化、非金融も収益源に

 --新型コロナウイルス禍の景気見通しは

 「全体として着実に回復している。ただ、回復は想定以上に緩やかだ。コロナ禍前は消費税増税後で日本経済はあまりいい状況ではなかった。それでもコロナ禍の前の状況に景気が戻るのは、当初は2021年の終わり頃と予測していたが、これが1年以上後ろ倒しになるとみている」

 --企業の資金繰り支援は

 「中堅中小企業はサービス産業中心に資金需要は減りつつあるが、それでも需要は出ている。ここで(感染の)第3波を乗り切れないと資金繰り支援がさらに必要になる可能性があり、注目している。また、単純にお金を提供すればいいというところから、事業構造を変えるとか、成長投資の資金需要が出始めている」

 --コロナ禍後を見据えた設備投資も出てきた

 「コロナ後を見据えた成長投資にどうかじを切るかが、日本経済の回復のために大きな試金石になる。われわれの大企業向け営業の一丁目一番地はデジタルトランスフォーメーション(DX)と脱炭素化だ。事業をどう組み替えて、成長分野につなげていくか、前向きな投資がわれわれのテーマだ」

 --低金利の環境でどう収益を上げていくか

 「収益源を多様化する。多様化するためにも金融と非金融領域を結び付けていく。例えば、DXとか脱炭素化のためのコンサルティングとかをパッケージで提供する。資本性のローンとか、優先株を出していくのも、低金利の中で、われわれのビジネスに付加価値を付ける取り組みだ」

 --デジタル化も引き続き重要だ

 「企業向けにデジタル化を支援するだけでなく、われわれ自身も進める。昨年、みずほ銀行の全店舗に新型タブレット端末を入れた。(振り込みなどの)手続きがタブレットで完了するため、事務手続きが削減できる。その分、もっとゆっくりコンサルができる」

 --働き方改革を進める

 「デジタル化で店舗のスペースも空く。それを働き方改革に活用する。空いたスペースを従業員がリモートワークをする場所として活用し、20年度は首都圏で9カ所のサテライトオフィスをつくる。DXと働き方改革、コスト構造改革は全て関連している。東京の丸の内と大手町のオフィスはリモートワークを常に25%の状態にしたい。昨年12月から希望者に週休3~4日制を取り入れた。新しい時代でいろいろな働き方があってもいいし、その中で、生産性や企業活力を上げていく」

【プロフィル】坂井辰史 さかい・たつふみ 東大法卒。1984年旧日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入社。執行役員、常務執行役員などを経て、2016年4月みずほ証券社長。18年4月から現職。石川県出身。

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