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中小企業守るサイバー攻撃対策 大商やメーカーOBが協力

 IT人材が乏しい中小企業をサイバー攻撃から守る取り組みが加速している。中小から侵入して大企業を攻撃する事例が相次いでいることが背景にある。自社への攻撃が他社に及べば損害賠償や取引停止に発展しかねず、大阪商工会議所やメーカーOBらが対策に協力している。

 大商が提供しているのは、セキュリティー機器の設置から有事の駆け付け対応などを一括したサービス「サイバーセキュリティお助け隊」。元々は経済産業省の実証事業だったが、2020年4月に本格スタートした。利用料は月額最低6600円で、利用する大阪市内の木工会社は「圧倒的に安い」と満足そうだ。

 商工会議所がこうしたサービスを自前で提供するのは珍しい。大商経営情報センターの野田幹稀課長は「中小企業向けの安くて簡便なサービスがなかった」と狙いを説明した。

 大商が対策に踏み出すきっかけになったのは18~19年に神戸大などと実施した調査だ。「協力した中小企業30社全てで何らかの不正な通信があった」と結論付け、中小企業も大企業と同様にサイバー攻撃の脅威にさらされている実態が浮かんだ。

 調査は通信データを約4カ月間にわたって収集。中には海外から社内端末が操作されているケースもあった。企業側はウイルス対策ソフトを導入していても機能を停止していたり、更新していなかったりした。

 大企業へのサイバー攻撃は必ずしも最初から本社が狙われるわけではない。防衛省と取引のある三菱電機やNECが20年に公表した不正アクセスは、中国や国内の子会社を侵入口としていた。取引先が踏み台となることもある。昨年のカプコンの事例は、侵入経路などの詳細が不明なままだ。

 パナソニックOBらが17年に設立した一般社団法人、情報セキュリティ関西研究所(大阪市)は、企業の情報管理をチェックする国の認証事業を手掛ける。金型や試作品、製造設計図など技術情報の管理に特化しているのが特徴だ。金森喜久男代表理事は「関西の中小企業には優れた金属加工の技術など守らなければならない情報資産が数多くある。適切な管理を文化として根付かせたい」と強調した。

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