ファミマ

3つの原点回帰、再生優先

 消費者起点のビジネスモデルである「マーケットイン」を掲げる伊藤忠商事としては、ファミリーマートが持つ直接的な顧客情報を活用しての事業改革が喫緊の課題だ。このため、本来ならデジタル化や顧客情報活用による新たなコンビニ事業モデルの構築や、それを支援する商社モデルの改革を進めたいところだが、当面は赤字に転落しているファミマの再生を優先せざるを得ない。

 今年設立40周年を迎えるファミマだが、ここまでの過程は「他チェーンとの合併を伴った急拡大の歴史」(細見研介氏)。規模は拡大できたものの、完全な統廃合を経た現在でも店舗当たりの収益力が強化されたとはいいがたい。大都市圏やオフィス街への出店が多かったため、コロナ禍の在宅勤務の拡大で売り上げが激減するなど、出店計画の課題も浮き彫りになった。

 こうした中で、細見氏は「商品開発、利便性、親しまれる店舗」の3つの原点に立ち戻ると言及した上で、デジタル技術を使って「グループ内のサプライチェーンを再構築し、コスト削減に手をつける」方針を示した。伊藤忠流の商売の基本「稼ぐ・削る・防ぐ(か・け・ふ)」のうち「削る」に注力し、黒字転換を図る方針だ。

 ただ、ファミリーマートでの細見氏のミッションは、コンビニ事業を通じて集積した顧客データを基に、新たなビジネスやサービスを構築し、伊藤忠の事業とのシナジーにつなげることだ。こうした成長戦略を実行に移すためにも、早期にファミマの再生を果たす必要がある。(平尾孝、日野稚子)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus