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リーダーは「第II領域」でこそ輝く

 プレゼンス社長・田路和也

 リーダーが事業やタスクの「重要度」を正しく見極め、「やらないことを決める」ことが、部下の無駄な仕事を減らし、「金の成る木」となる事業を育てる。仮に、組織に1億円の予算があったとして、それを10個の事業に満遍なく分散させてしまっては、5000万円の予算を最重点事業に全集中させた組織に勝つことはできない。これは、個人の資源である時間についても同じことが言える。では、どのようなタスクを優先するべきなのか。

 それを考える上で、ぜひ一度取り組んでもらいたい作業がある。日頃、遂行しているタスクとその時間をビジネスからプライベートまで全て洗い出してみることだ。メールチェックから会議、商談、家族や友人との時間まで、タスク全てを書き出してみるのだ。

 さらに各タスクに投資(消費)した時間も書き加えてみる。そして、「重要度」と「緊急度」の高低の掛け合わせで4象限に分類することで、時間の使い方を見える化してみてほしい。これは、私がコンサルタント契約もしているフランクリン・コヴィー・ジャパン社の『7つの習慣』でも紹介されている有名な時間管理メソッドだ。

 全てのタスクの中で「緊急かつ重要」なタスクに分類されるものを「第I領域」と呼ぶ。ほかに、「緊急ではないが重要」なタスクを「第II領域」、「緊急だが重要ではない」タスクを「第III領域」、「緊急でも重要でもない」タスクを「第IV領域」と呼ぶ。この中で最も優先して取り組むべきタスクは「第II領域」だ。「緊急ではないが重要」な「第II領域」のタスクは、「第I領域」や「第III領域」のような緊急業務を「予防」「削減」し、「根本的解決」を図るタスクだからだ。

 例えば私は、歯科医での歯のメンテナンスを3カ月に1度のペースで行っている。たった30分間の歯のメンテナンスにより、「虫歯になって歯医者に通院する」というタスクを「予防」し、時間とお金の消費を防いでいるわけだ。営業の仕事であれば、「定期的に顧客フォローのメールを配信する」「SNS(会員制交流サイト)で情報を拡散させる」「業務フローの改善を社内で提言する」などが「第II領域」のタスクとなる。

 人生における「第II領域」の時間の割合を、メンバークラスは40%、課長クラスは60%、部長クラスは80%、経営幹部であれば90%以上にすること。そうすれば時間生産性を最大化できることが、私の顧問先でも立証されている。会社経営の健全度を測る重要な指標といえる。

【プロフィル】田路和也

 とうじ・かずや 早大商卒。1998年パソナ入社、2000年人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)入社、07年プレゼンスを設立し現職。14年アポロ広告社と合併。営業部門の時間生産性向上に特化した研修・コンサルティングを提供。著書に『仕事ができる人の最高の時間術』(明日香出版社)、『HRプロファイリング』(日本経済新聞出版)がある。46歳。兵庫県出身。

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