テクノロジー

飲料大手、プラごみ「循環利用」へ新技術 ボトル再資源化の実用5年で目指す

 大手飲料メーカーがペットボトルなどのプラスチックごみを繰り返し再生する循環利用に本格的に乗り出す。使用済みボトルの再資源化を拡大する技術開発に着手。今後5年程度で実用化を目指す。1度だけのリサイクルにとどまることが多い現在の取り組みから、原料として何度も再生利用する仕組みに移行し、ごみになる量を減らす。

 政府は2019年に策定した「プラスチック資源循環戦略」で、プラごみの徹底的な削減と持続可能な循環利用を掲げた。プラごみによる海洋汚染など環境問題への危機感が国際的に高まっていることが背景にある。民間企業の最新技術を生かしたプラごみの削減に期待が高まっている。

 使用済みのペットボトルが新たなボトルに生まれ変わる割合は全体の10%程度とされており、食品トレーなど別の製品になっても1回の使用だけで焼却されることが多い。異物や汚れによる劣化がリサイクルを阻む。

 キリンホールディングスは20年12月、化学メーカーの三菱ケミカルと共同でペットボトルを再資源化する技術の検討を始めた。25年までの実用化を目指す。

 現在では主に熱で使用済みボトルを加工しているが、新たな技術では化学処理でより高品質なボトルの原料を作れるようにする。ボトル以外の食品トレーなども原料として繰り返し使えるようにする。

 サントリーホールディングスとアサヒグループホールディングスは共同で新会社を設立し、ペットボトルを含むプラスチックの再資源化に取り組む。包装容器製造大手など計20社が出資。米国のバイオ化学ベンチャー企業が協力する。レジ袋やカップ麺の容器といったプラごみも原料に戻して何度も使う循環型の再生利用を27年に実現できるようにする。

【用語解説】プラスチックの循環利用 ペットボトルや食品トレーなどのプラスチック製品を回収し、繰り返し再生利用し続ける取り組み。廃棄処分になるプラスチックごみを減らし、新たに石油から作るプラスチック製品も少なくすることができる。海に流出したプラごみが破れたり削られたりして生態系に影響を与える海洋汚染が深刻になっており、解決策としても期待が高まっている。

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