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エネ業界最大の合併劇 エクソンとシェブロン、財務改善へ昨年協議

 米国の石油大手のエクソンモービルとシェブロンの最高経営責任者(CEO)が昨年、合併について協議していたことが分かった。ダウ・ジョーンズ(DJ)通信が複数の関係者の話を引用して伝えた。

 関係者によると、シェブロンのワースCEOとエクソンのウッズCEOは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で石油・ガス需要が落ち込み、両社の財務負担が増大したのを受けて協議したという。協議は予備的なものだと説明されており、現在は行われていないが、将来再開する可能性はあるとDJは報じた。

 時価総額37兆円超す

 新型コロナの感染拡大で原油価格が低迷し、苦境が続く米シェール勢の間で、M&A(合併・買収)の動きが相次いでいる。両社の合併が実現すればエネルギー業界で過去最大の合併劇となる。現在の株価を基にすると、新会社は時価総額3500億ドル(約37兆円)超の巨大企業となり、売上高でサウジアラムコをしのぐ。

 エクソンとシェブロンは米国内外で石油・天然ガス生産関連の巨大資産や、大規模な精製、化学品事業を有する上、ガソリンなど一目で分かるリテールブランドも展開する。

 しかし、規模や複雑さを考えると両社が合併を進めるには気が遠くなる作業が必要だろう。両社はいずれもジョン・D・ロックフェラー氏が経営した強大な独占的石油会社スタンダード・オイルの米政府による分割で誕生した企業が前身。エクソンとシェブロンが合併した場合、新会社がエネルギー産業の川上と川下の両セクターで持ち得る立場について、世界の反トラスト(独占禁止法)当局は熟考する必要が出てくる。

 投資家は「妙案」歓迎

 それでも、石油業界が置かれた今の環境下での合併メリットは明らかだ。2020年の原油価格暴落は業界を震撼(しんかん)させ、思い切った支出抑制を余儀なくされた。エクソンとシェブロンもその影響から逃れられなかった。

 昨年、シェール業界におけるM&Aの急増が示したように、投資家らはコスト低下を確実にする方法として慎重ながらも事業統合を歓迎している。

 そのことが米石油大手2社の合併が説得性のある理由の一つだとサンキー・リサーチのポール・サンキー氏は昨年10月に顧客に宛てた文書で説明した。

 サンキー氏は「エクソンモービルにとってシェブロンとの合併は妙案だ。まさに市場サイクルの底にあって、株式市場が多かれ少なかれ求めている類いのカウンターシクリカル(景気変動抑制的)な戦略になるだろう」と説明した。

 S&P500種株価指数の構成銘柄の中でエネルギー各社は過去1年間のパフォーマンスが最も低い。同指数が13%上昇したのに対し、エクソンとシェブロンの株価はそれぞれ30%、23%と大きく下落している。(ブルームバーグ Simon Casey、Meghan Genovese)

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