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JSOL、新規ソリューション創出を加速 新会社設立やデータサイエンス領域を強化 (1/2ページ)

 ICTサービスコーディネーターとして金融、製造、流通などの顧客のビジネスをサポートしてきたJSOLは、新規ソリューションの創出への挑戦を加速している。2020年10月に同社が理化学研究所と合弁で設立した新会社「理研数理」では産学連携の橋渡しを果たすことで、新規事業や新しいソリューションの創出に向けたビジネスを展開する。また、材料物性シミュレーションソフトウェア「J-OCTA(ジェイ・オクタ)」を活用した素材開発の支援や、医療機関と共同研究を進めるAI(人工知能)を活用したAI協調機械学習環境については、眼科分野を中心とした商用化に向けた準備を進めている。

新会社で産学連携の橋渡しを果たす

 「アカデミア(学術分野)のシーズとビジネスのニーズのマッチングを促し、新規事業やライセンス、新たな研究課題の創出に取り組んでいる。産学両方向の人財・知財・データを環流するプラットフォームの役割をマネジメントする」。JSOLデジタルイノベーション事業本部副事業本部長から、理研数理の取締役に就任した松崎健一氏はこう話す。

 理研数理が目指しているのは、数理科学を活用し、新たに知的財産を発明し、新規事業を産出することだ。当面は、理研の知財や研究員などのシーズを企業のニーズとマッチングさせて共同研究を組成する。将来的には、その研究活動から得られた知財の販売や、その知財を核としたサービスを開発・販売していく。製薬、自動車、金融などの分野を中心に、高度な数理技術や計算機シミュレーションの要求に応え、新しい価値の提供を目指している。

 例えば銀行に対しては、数理科学を活用して、企業の入出金明細などを分析することで、融資先の与信管理を短いサイクルで把握し、リアルタイムなアドバイスを行うことを可能にする。また、超高速な計算が可能なスーパーコンピューター「富岳」を利用した、理研発の超並列分子動力学計算プログラムを、理研数理経由で産業界へ幅広く発信し、ユーザーを拡大することにより、創薬にも貢献していく。

 日本が掲げる「Society5.0」は、高齢化やエネルギー問題などの社会課題の解決でも、高度なアカデミアの力が必要になる。理研数理が、アカデミアと民間事業会社のハブ機能を強化することで、Society5.0の課題解決を推進するエンジンのひとつになることも目指している。

 高度な理系人材の流出を防ぐため、理研数理ではプロジェクトごとに理研の高度人材を企業に貸し出す仕組みを構築する。好きな研究に打ち込みながら、アライアンス先の企業からも報酬を得ることにより、エンゲージメントの向上を促す。理研と民間の人材還流を通じて双方の価値を相乗的に高め、学問の発展と人材育成につなげる。

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