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シェアリングエコノミー、申告漏れ174億円 国税庁が初の重点調査

 空き部屋を民泊として活用したり、フリマアプリで古着を売買したりする「シェアリングエコノミー」(共有型経済)と呼ばれる経済活動を対象に国税庁が初めて重点調査したところ、昨年6月末までの1年間で全国で約174億円の申告漏れが発覚し、約39億円を追徴課税していたことが17日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり傾向を背景にネット上で急速に広がっており、同庁は実態把握を続ける。(森西勇太)

 シェアリングエコノミー協会(東京都)によると、今年度の市場規模は約2兆1千億円だったが、コロナ禍で在宅時間が長くなり、新たに始める人も増えていることなどから、約10年後には14兆円超にまで拡大するとみられる。こうした取引は個人間で行われることが多く、課税漏れが課題だった。

 国税庁は、令和元事務年度(令和元年7月~同2年6月)にシェアリングエコノミーで収入を得た人が所得税を正しく申告しているかを調査するため、200人規模のプロジェクトチームを設置。全国12の国税局と事務所で約1400件の所得を調べたところ、計約174億円の申告漏れが明らかとなり、追徴税額は計約39億円に上ったという。

 国税当局では、特殊なシステムを活用してネット上での取引実態を把握しており、国税関係者は「取引がバレないで済むとは考えないでほしい」と話す。

 大阪国税局管内では164件を調査し、約15億円の申告漏れを指摘。約3億1千万円の追徴税を課した。

 このうち、フリーマーケットを含む通販サイト上の取引が81件と最も多く、申告漏れの額は約6億3030万円で、追徴税額は約7797万円だった。

 暗号資産(仮想通貨)や民泊のほか、ブログなどで商品やサービスを紹介し、読んだ人が購入すると報酬がもらえる「アフィリエイト」と呼ばれる広告収入なども対象となった。

 こうした取引は会社員であれば基本的には副業となり、この年間所得が20万円を超えれば確定申告をして所得税を納めなければならない。また、個人売買で年間売り上げが1千万円を超えた場合には、所得税とは別に消費税の納税義務も発生する。

 個人間での日用品の売買は申告は不要だが、時価30万円を超える美術品や宝石類などの取引は課税の対象となるほか、日用品の取引でも、継続的な商業活動と判断されれば、個人事業主として扱われるため申告が必要となる。

 国税関係者は「事前に税務署に問い合わせるなどして、申告が必要かどうか判断してもらいたい」と呼びかけている。

 令和2年分の所得に関する確定申告は16日に全国でスタートし、期間は4月15日まで。

 【キーワード】シェアリングエコノミー 個人が自分の知識やスキル、モノや空間などの資産をインターネットを介して共有し、それを必要とする人々に役立てる仕組み。米国発祥とされ、国内でも平成28年ごろから普及した。所有する住宅を観光客向けに貸し出す民泊やフリマサイトなど、さまざまなサービスが広がっており、社会全体の生産性を向上させる方法として注目されている。

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