金融

東証社長に山道氏 新指数開発、国際競争力向上託す

 JPX傘下の東京証券取引所の次期社長となる山道裕己氏に、昨年10月の大規模システム障害で失墜した信頼回復に向けた任務が託されることになった。東証は市場構造改革や東証株価指数(TOPIX)に代わる新たな株価指数の開発、海外の取引所との競争など、課題が山積となっている。

 「二度とシステムトラブルが起きないように、起きたとしても短期間のうちに回復可能な体制にするため全力を挙げてほしい」

 JPXの清田瞭CEOは22日の記者会見で新体制の狙いについて、こう強調した。

 山道氏が野村証券からJPX取締役と大阪証券取引所(当時)の社長に就任したのは2013年6月。JPXの指名委員会が全会一致で山道氏を東証新社長に選んだのは、東証が大変革の途上にある中、既に8年近くにわたり取引所の運営経験を積んできた面が大きい。

 東証は来年4月に現在の4市場から、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に移行する計画で、現在はパブリックコメントを募っている最中だ。上場企業にこれまで以上に投資家から選ばれる努力を求める方向で、大きな注目を集めている。

 いつか訪れる次の危機に備えて、市場運営を安定的に継続しながら、在宅勤務の比率を高める仕組みを制度化することも課題となる。

 また、政府や東京都が国際金融構想の実現に向けて動く中、東証の国際競争力の向上も待ったなしだ。

 野村資本市場研究所の主要株式市場の国際比較によると、昨年11月末時点の東証の時価総額は668兆円で、米ニューヨーク証券取引所(2240兆円)に遠く及ばない。香港取引所や上海証券取引所とはほぼ横並びの状態だ。「世界有数の取引所としての地位を脅かされることがないように国際的な競争に打ち勝つことが重要だ」。清田氏はこう述べ、山道氏の豊富な国際経験にも強い期待感を示した。 (米沢文)

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