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FB、豪州でニュース提供再開へ 記事料金法案修正で政府と合意

 【シンガポール=森浩】オーストラリア政府は23日、国内でニュース記事の表示を制限していた会員制交流サイト(SNS)大手、米フェイスブック(FB)が数日以内に記事表示を再開すると発表した。IT大手に対するニュース記事使用料の支払い義務化に向けて議会が審議中の法案について、双方が一部修正で合意したため。

 豪州のモリソン政権は昨年12月に同法案を議会に提出しており、近く成立する見通しとなっている。法案に反発するFBは対抗措置として今月18日から豪州で国内報道機関によるニュース記事の投稿を制限。豪州のFB利用者は海外の報道機関のものを含めてニュース記事が閲覧できなくなっていた。

 修正法案には、IT企業が国内報道機関と個別に支払い契約を締結し、政府が豪州のニュース産業に「大きく貢献」したと判断した場合、義務化の対象からの除外を検討することが盛り込まれた。弾力的な運用を可能とするもので、政府がFBに歩み寄った形だ。

 IT企業と報道機関が記事使用料で合意に至らなかった場合、政府任命の仲裁人が金額を決定するが、仲裁人の介入までに2カ月の猶予期間も設けた。

 FBは23日、「豪州がわれわれの懸念を解消する法案修正に合意した」と歓迎する声明を発表した。

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