金融

予算案通過も…秋にも補正予算の可能性

 令和3年度予算案は年度内の成立が確定し、1月成立の2年度第3次補正予算とともに政府が新型コロナウイルスの克服へ編成した「15カ月予算」は執行のめどが立った。ただ、年明けの緊急事態宣言再発令で景気は再び低迷し、頼みのワクチンも普及が遅れそうだ。昨年に巨額の経済対策を実施した反動で今年後半には財政支出が縮小し景気が悪化する「財政の崖」が生じかねず、再び大型対策の待望論が高まりそうだ。

 麻生太郎財務相は2日の記者会見で「3次補正と合わせ、感染拡大防止に万全を期しながら中長期的な課題に確実に対応する」と述べ、3年度予算案の早期執行を目指す考えを示した。

 3年度予算案と3次補正が裏付けとなる追加経済対策は、国費で30兆6千億円規模。脱炭素化目標の実現へ企業の研究開発を支援する2兆円基金など、コロナ収束後の成長戦略が中心で、3年度中に経済水準をコロナ前に回帰させるのが目標だ。

 だが、足元では宣言再発令に伴う営業自粛の影響でサービス業を中心に消費が一気に冷え込み、1~3月期の実質国内総生産(GDP)は3四半期ぶりのマイナス成長が確実視される。

 4月に高齢者への接種が始まるワクチンが普及すれば景気は好転しそうだが、世界的な争奪戦で供給の見通しは立たない。みずほ総合研究所は、国民が集団免疫を獲得し経済活動をコロナ前に戻せる時期は4年3~6月ごろと試算する。接種開始後も感染者数は増減を繰り返すことが避けられず、今年の年末には再び大きな感染の波が来る恐れがある。

 政府は足元の景気低迷に対応し、3年度予算案成立後に、盛り込んだ予備費5兆円などを使い追加経済対策を検討する。ただ、2年度第1、2次補正が裏付けた昨年の経済対策は国費で計66兆8千億円に上り、3次補正や3年度予備費の規模では見劣りする。今年は秋までに衆院解散・総選挙を控え与党内の歳出圧力が強まるとみられ、今国会の終了後、秋にも見込まれる「臨時国会で補正予算を組む必要がある」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)との指摘もある。

(田辺裕晶)

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