金融

日銀が地銀支援へ政府と連携 再編後押し、金利上乗せ導入

 日本銀行は、地銀などの再編や収益力強化を支援する制度を開始した。政府も今夏にシステム統合などの費用の一部を補助する制度を創設する計画で、日銀と政府がタッグを組んで地銀再編を後押しする。背景には、日銀の金融緩和に伴う低金利や人口減少、新型コロナウイルスなどによる地銀の収益力の低下がある。ただ、地域でのシェアが高まり競争が弱まることで、顧客利便性がかえって損なわれる恐れがあるなど課題も多い。

 日銀は、経営統合などの条件を満たす金融機関を対象に、日銀に預ける当座預金の残高に年0.1%の金利を上乗せする仕組みを1日導入した。事実上の補助金で、統合しなくても経費削減などの条件を満たす場合も対象となる。

 地銀再編の機運が高まったのは、当時、官房長官だった菅義偉首相が自民党総裁選への出馬を表明した昨年9月の会見で「(地銀は)数が多すぎる」と発言したのがきっかけだ。地銀再編を促し、地方経済の活性化につなげる意図があったとみられる。

 実際、上場する地銀・グループ78社の2020年4~12月決算で、前年同期比で最終減益もしくは赤字の企業は半数を超える40社に上り業績は厳しい。

 地銀の再編が遅れた一因は、同一地域内で貸し出しシェアが高まることを、公正取引委員会が問題視したことがある。このため政府は、独占禁止法を適用しない特例法を昨年11月に施行。さらに今夏にも、システム統合などの費用を補助するため、最大30億円程度の交付金制度を設ける。

 福井県を地盤とする福井銀行は今年1月、同県内の福邦銀行を7月にも子会社化する方針を発表した。政府の支援策について福井銀の林正博頭取は「詳細が出てきた段階で検討したい」と述べた。

 もっとも、再編で競争が滞れば、顧客サービスの低下につながりかねない。また、店舗の統廃合や人員削減が、地域の雇用に影響を及ぼす恐れもある。なにより、同一地域内で激しく競ってきたライバル同士だけに、行内融和をうまく図れるかが、大きな課題になりそうだ。(大柳聡庸)

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