テクノロジー

雪国産バナナ、半年で1万本販売 新潟の産廃処理業「シモダ産業」が廃熱活用

 新潟県柏崎市の「越後バナーナ」が注目を集めている。産業廃棄物処理業「シモダ産業」が廃熱利用栽培に取り組み、昨年8月に販売を開始。雪国産バナナという意外性もあり、1本1000円以上の高級品ながらも、約半年で1万本が売れた。市もふるさと納税の返礼品に加え、地域を挙げてブランド化に取り組む。

 雪が降りしきる2月上旬。同社の農園「シモダファーム」のビニールハウスでは、収穫間際の黄緑色のバナナがたわわに実っていた。「温水パイプのおかげで日中の室温は常に24度に保たれ、雪国でも栽培できます」。温度計を見ながら、常務の霜田真紀子さん(40)が笑顔で語った。

 2007年の新潟県中越沖地震で廃棄物処理施設が被災。「かつてフィリピンで食べた甘いバナナを柏崎でも」と、真紀子さんの父の彰社長(73)が、再建する新たな施設の廃熱を使ったバナナの栽培を提案した。

 ノウハウを学ぶために真紀子さんは全国を回り、たどり着いたのが岡山市の農業法人「D&Tファーム」だった。同社の技術責任者の田中節三さん(71)が約40年かけて開発したバナナは、甘みが強く濃厚なのが特徴。無農薬で皮ごと食べることもできる。

 シモダファームでは、約1億5000万円かけて岡山市の農業法人から苗を仕入れ、冬でも室温を保つことができる設備を焼却炉近くに整えた。19年に苗を植え、1年かけて初出荷にこぎ着けた。

 越後バナーナは地元の「菓子工房やしろ」でドーナツなどの材料に使われている。パティシエの矢代愛さん(40)は「香りが良く、お客さんの反応も上々」と話す。

 北国では、北海道釧路市や秋田県美郷町でも高級バナナの栽培を始めるなど、ここ数年でライバルがひしめくようになった。真紀子さんたちは3月にも増築した2棟のハウスで200株の栽培を始める方針で、「首都圏などから取引の問い合わせも来ている。ゆくゆくは全国区に育てていきたい」と話している。

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