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グーグルのプライバシー保護、日本企業から歓迎と懸念の声

 米グーグルがプライバシー保護を優先し、広告に個人の閲覧履歴を使用しない方針を示したことは、データ活用の分野で後れを取ってきた日本企業にも影響が及びそうだ。もともとプライバシーを重視してきた企業からは歓迎する声が挙がる一方、データが今後集めにくくなることへの懸念も広がっている。

 「うちにとっては好都合だ」。東芝の関係者はグーグルの対応を前向きに捉える。レジの販売時点情報管理(POS)システムで国内の約5割、米国でも3割のシェアを持つ東芝は、同システムから得られるビッグデータを、新たな収益源として見込む。

 データは本人の同意を得た上でしか使わないなど、プライバシーには気を配ってきた。それだけに「これで同じルールで戦える」(関係者)と話す。

 一方で、別の企業からは「個人情報意識の更なる高まりで、データが集めにくくなったら困る」と懸念の声も上がる。早くからデータの価値に目を付けた、グーグルやフェイスブックなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米IT大手はすでに膨大なデータを保有するが、日本は今からデータ事業に乗り出す企業も少なくない。データが集められなければ、GAFAとの格差は固定化しかねない。

 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「プライバシーとデータ活用の両立は可能だ」と指摘。その上で、個人情報を預かって本人同意のもとで企業に提供する「情報銀行」を例に挙げ、「データを提供する個人にもメリットが感じられる仕組みの早期構築が必要だ」と話している。(蕎麦谷里志)

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