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改革の成果、課題は電動化

 ホンダは、「レベル3」機能を搭載した高級セダン「レジェンド」で技術力をアピールし、反転攻勢の起爆剤にしたい考えだ。ただ、海外勢も自動運転技術の高度化に取り組み、競争は激しい。出遅れる電気自動車(EV)開発の加速も迫られる。4月に社長に昇格する三部(みべ)敏宏専務が目指す新たな「ホンダらしさ」の創出が生き残りの鍵を握る。

 八郷隆弘社長体制下のホンダは、前社長の伊東孝紳相談役が進めた拡大路線の失敗で収益力が低下した四輪事業を立て直すため、国内外の工場の閉鎖や集約を決めた。一方、次世代技術などの研究開発費は手厚く投じ、2018年3月期から3年連続で増加。20年3月期は八郷氏の社長就任前の15年3月期比で23%増の8214億円に上った。

 昨年4月には、ヒト型ロボット「ASIMO(アシモ)」などの製品を生み出し、三部氏が社長を兼務する研究子会社の本田技術研究所を再編。四輪の商品開発機能をホンダ本体に移管し、先端技術の研究開発に特化させた。レジェンドの発売は、こうした改革の大きな成果となる。

 本田技術研究所先進技術研究所の杉本洋一エグゼクティブチーフエンジニアはホンダを「カメ」に、競合他社を「ウサギ」に例え、「ホンダには安全については真摯(しんし)、愚直に取り組む文化がある。結果的にウサギを追い越すことができた」と強調。ホンダの寺谷公良執行職も「優れた技術を示し、先進的なブランド価値を訴えるためにも意義は大きい」と述べた。

 とはいえ、安穏とはしていられない。独メルセデス・ベンツも今年後半にレベル3対応車の発売を予定。特定条件下で完全自動運転ができるレベル4についても、米フォード・モーターが年内の商用車展開を、中国も25年までに実用化を目指す。

 ホンダは30年までに四輪販売の3分の2を電動車とする目標を掲げるが、主にハイブリッド車(HV)を想定してきた。中国、欧米勢がEVシフトにかじを切るなか、自動運転以外でも電動化が大きな課題となる。 (宇野貴文)

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