大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 1億年前の首長竜 現代の鳥と似た習性 世界初、未消化で吐き出した「ペリット」発見

 ≪東京都市大学≫

 理工学部自然科学科の中島保寿准教授らは、生態の大部分が謎に包まれていた首長竜類が、現代の鳥に似た習性を持っていた可能性があることを明らかにした。

 このたび、鹿児島県長島町獅子島の白亜紀中頃(約1億年前)の地層から発掘された水生爬虫類の首長竜エラスモサウルス類(通称サツマウツノミヤリュウ)の化石の咽頭部に、未消化の動物骨格の破片が凝集したもの(ペリット)を発見した。

 首長竜類は中生代三畳紀後期(約2億500万年前)に現れた、長い首とヒレ状の四肢が特徴的な海の爬虫類である。中でもエラスモサウルス類は特に首が長く発達したことで知られている。首長竜類は中生代白亜紀末(約6600万年前)に絶滅し、現在は類似した形態をもつ生物も生存していないため、その生態の大部分は謎に包まれている。

 今回の発見により、エラスモサウルス類はエサを飲み込み胃で消化を行ったあと、消化されにくい部分を固めた「ペリット」を形成し吐き出すという習性があったことが明らかとなった。同様の習性は現在の肉や魚を食べる鳥類(猛禽類)や陸上爬虫類でも観察されているが、絶滅した動物の化石で確認されることは極めて稀であり、首長竜類では初めての発見である。

 今後は、首長竜の詳細な習性、食性の解明に向け、咽頭部内容物に含まれる破片化した骨格化石の由来となった動物の特定を目指す。なお、この研究成果は、2021年2月5~7日にオンラインで開催された日本古生物学会「第170回例会」で発表された。

 ドローン活用 災害対応時の情報収集・発信

 ≪工学院大学≫

 東京・新宿駅周辺防災対策協議会のメンバーである工学院大学は、西新宿の事業所とともに、2月24日にドローンを活用した災害時の情報収集・発信の実証実験を行った。

 過去4回の実験から課題として浮かび上がった、発災直後の各種活動立ち上げに注目し、現地本部との情報共有や、高層ビル街におけるドローンの遠隔操作について検証した。実験は新宿中央公園(東京都新宿区)で行われ、同大学が収集した情報をもとに、ドローンに取り付けられたスピーカーで帰宅困難者に情報を提供する訓練も実施した。

 同時に、地震防災訓練も行った。例年は、近隣の事業所から防災担当者が工学院大学に集って実施するが、今年は被害状況を各社から専用アプリに入力する、または、電話で報告する形式に変更した。

 人工衛星など利用し除雪板を自動制御

 ≪広島工業大学≫

 環境学部地球環境学科の菅雄三教授は、日本版全地球測位システムなどを利用して除雪車の除雪板を道路の状況に応じ自動で制御する技術を開発した。

 受信機などを搭載した除雪車は、準天頂衛星「みちびき」による精密な位置情報とレーザー測量から得た道路の形状情報を組み合わせ、雪下の橋の継ぎ目などを自動で回避して雪をかき分ける。

 菅教授は新潟県での実験や、日本建設機械施工協会中国支部との実験で時速10キロで運用できることを確認した。

 さらに実験を重ね、2022~23年に時速50キロでの走行実現を目指す。現在は作業員1、2人で運転と除雪板操作をするが、自動制御によって1人でも安全で効率的な除雪作業が可能になる。

 コロナ対策システム作成で技術力を競う

 ≪大阪電気通信大学≫

 情報通信工学部情報工学科・通信工学科の学生を対象に、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした学生証による研究室の入退室管理システムを作成するハッカソンを開催。

 Raspberry Pi4などが支給され、学科や学年を越えた9つのグループが挑戦した。

 開発期間は約1カ月半で、多くのチームがZoomやGoogle Meet、Slackなどを利用しオンライン上で連携を取りながら開発にあたった。

 最終的には、プレゼン動画とプログラム、資料等を公開し、学生投票により最優秀チームを選出した。最優秀チームに選ばれた学生らは、開発を通じて技術力はもちろん、コミュニケーション力も鍛えられたと話す。各作品のソースコードは公開されており、自由に使用可能となっている。また、既に実際に運用されている作品もあり、同大メディアコミュニケーションセンターの演習室の入退室管理に使用予定だ。

 横谷教授ら推進の通信方式 国際標準に

 ≪金沢工業大学≫

 電気電子工学科の横谷哲也教授が中心となって推進してきたIoTプラットフォーム「IoT Data Exchange Platform(IoT DEP)」が、ISO/IEC JTC1で承認され、国際標準「ISO/IEC 30161」として2020年11月27日にISOより出版された。

 IoT DEP(IoT Data Exchange Platform)は、IPアドレスやDNSサーバを用いた従来の通信方式と比較して、効率的なデータ転送を行うことができる、IoTに特化した通信方式。

 軽量化された通信の実現のために、IPアドレスに縛られないInformation Centric Network(ICN)技術を適用し、電子メールやインターネットアクセスなどの既存のサービスとの接続を担保しながら、膨大な数のデータの転送を実現することができる仕様となっている。

 汗の乳酸濃度測る非刺激性バイオセンサ

 ≪東京理科大学≫

 理工学部先端化学科の四反田功准教授らの研究グループは、メソ多孔性炭素材料のスクリーン印刷と乳酸酸化酵素の固定化によって作製したメソ多孔性酵素電極と、生体適合性の高い素材を用いたマイクロ流体デバイスを組み合わせて、汗中乳酸濃度を連続的にモニタリングできる非侵襲的・非刺激性バイオセンサを開発することに成功した。

 近年、運動前後の血液を採取して乳酸濃度を測定し、アスリートの効果的なトレーニングプログラムを設計することなどが行われている。また、血液中の乳酸濃度と汗中の乳酸濃度の相関が最近知られ、汗を用いた非侵襲的な乳酸濃度測定の試みについても、いくつかのグループから報告されている。それらの多くは、電極を皮膚に直接当てる設定となっているため、長時間の装着でも皮膚に刺激の少なく、かつ汗を測定部に効率的に集め、さらには運動の妨げにならない小型・軽量デバイスが求められていた。

 四反田准教授は現在、センサを着装した実装試験に取り組んでいる。今後の展開について、一般健常者の健康管理、熱中症検知などへも応用が期待できると話す。

 【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus