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パナソニックの“7000億円買収” 市場から厳しく評価される2つの理由 (3/3ページ)

 ■強みだった電池事業は、世界トップの地位を追われた

 その後、パナソニックはノキアのブラウン管工場の買収やプラズマテレビへの集中投資など、ハード回帰にのめりこみ、失敗を重ねることになる。

 近年の課題は電池事業だ。電池に強い三洋電機を買収。米テスラとの大型投資を試みるが、国を挙げて電池産業を育成する中国勢に世界トップの地位を追われている。

 かねてパナソニックは「マネシタ電器」と揶揄(やゆ)されるなど、ヒットした製品が世に出ると、その資本力・販売力を生かしてライバルを駆逐するスタイルをとってきた。その戦略は高度成長期に国内市場が拡大する中では功を奏した。しかし、国内市場が縮小し、世界でも中韓勢が台頭する中で通用しなくなった。

 新興する中韓勢との競合をさけるために打ち出した「ソフト・サービス」路線も、まだ成果が出ているとはいえない。ブルーヨンダーの買収が現実となり、「ソリューション・ビジネス」に乗り込んだとしても、国内では日立、欧米では米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスといった競合が控えている。

 ■9年ぶりの社長交代を新展開の機会に変えられるか

 パナソニックは34ある事業部を再編し、22年に持ち株会社化し、傘下に8つの事業会社を抱える体制に移行する。全社の成長をけん引する基幹事業と位置づける4社は白物家電や住宅設備の「パナソニック」、電池事業の「パナソニックエナジー」、電子・機械部品の「パナソニックインダストリー」、企業向けシステムの「パナソニックコネクト」になる。

 6月には12年から9年間トップとして業績の立て直しに奔走してきた津賀一宏社長から常務執行役員の楠見雄規氏にバトンを渡す。

 「マネシタ電器」から脱却し、新たな製品・サービスをどう生み出していくのか。新たなビジネスモデルをどう築くのか。持ち株会社化が「各事業会社の収支を見える化し、採算管理を徹底する」ということにとどまれば、パナソニックの前途は厳しい。市場の低評価をひっくり返すような次の一手が求められている。(プレジデントオンライン編集部)(PRESIDENT Online)

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