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培養肉ベンチャーのインテグリカルチャー 化粧品原料を開発

 培養肉ベンチャーのインテグリカルチャー(東京都新宿区)は7日、培養肉の開発過程で発見された副産物を活用した化粧品原料を開発したと発表した。量産体制も整え、「セラメント」との名称で同日、化粧品メーカーからの受注商談を始めた。

 培養肉を作る過程で使われる鶏卵の細胞の中に、アミノ酸やビタミンなど肌に有用な成分が含まれていることがわかり、卵由来の胎盤様組織にある3種類の細胞培養上清液を新たに化粧品原料として開発した。

 培養肉の副産物である細胞培養上清液は、培養液から培養した細胞を取り除いた上澄み液のことで、細胞活性のカギとなる情報伝達物質が豊富に含まれている。

 セラメントには保湿や抗酸化などの効果があることが確認されており、米国パーソナルケア製品評議会(PCPC)で新規化粧品原料として登録された。卵由来の胎盤様組織の培養上清液化粧品原料としては世界で初めてだという。

 また鶏卵の原料素材は、ワクチン製造にも使われる安全性の高い国産のものを使用している。

 インテグリカルチャーは平成27年10月に設立。大量かつ安価に動物細胞の培養ができる技術「カルネットシステム」を開発。この技術を生かして培養肉の研究開発に取り組んでいる。昨年にはフォアグラの培養肉の試作に成功した。

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