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コロナで世界のM&A活況 1~3月過去最大、日立など構造転換訴求

 M&A(企業の合併・買収)市場が活況となっている。今年1~3月に明らかになった世界のM&Aの市場規模は同期間としては過去最大。新型コロナウイルス感染拡大を契機に事業構造の転換を急ぐ企業が増えている。世界的な金融緩和を背景に、投資ファンドの動きが活発化していることも影響している。

 金融情報会社リフィニティブによると、1~3月のM&Aは総額1兆3359億ドル(約147兆円)で、データをたどれる1980年以降の同期間では最大となった。コロナ禍で市場が停滞した前年同期との比較では倍近くに急伸した。

 最大の案件は米電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)の航空機リース事業の売却(312億ドル)。コロナ禍のため、旅行需要の長期低迷が避けられないと判断したようだ。

 日本企業が絡むM&Aも活発化している。野村証券の角田慎介グローバル・ヘッド・オブM&Aは「日本企業は成長機会を求めて海外企業のほか、新規または本業周辺の事業を買収するニーズが強い」と語る。

 代表例といえるのが、日立製作所だ。グループ再編の一環で、3月末には米ITベンチャーを1兆円超で買収すると発表。4月に入ってからは上場子会社の日立金属について日米投資ファンド連合への売却を検討していることが判明した。

 東芝は英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズから2兆円規模の買収提案を受けたことも明らかになっている。

 このところ買い手として目立つのは、機関投資家から資金を集め、未上場企業の株を買い取り、企業価値を高めてから上場・売却することで利益を得るプライベートエクイティ(PE)ファンドだ。

 角田氏は「PEファンドは(株や債券などの)代替投資先として、年金などの資金が流入しやすい。さらに金融緩和で銀行から資金を借りて、大きい買い物をしやすくなっている」と解説する。

 一方、最近は割高に見える案件も少なくない。株価が歴史的な水準に達しているのに対し、利益率は回復途上にあるためだ。角田氏は「経営改善をすればプラスになる案件も多い。買い手は高くてもいい買い物をしたいと考える傾向がある」と語る。感染状況が落ち着けば、資産査定のため、工場や店舗の訪問もしやすくなり、M&A市場の活況は当面続きそうだ。 (米沢文)

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