サービス

ITEが高機能保冷剤を一般消費者に 熱中症予防、睡眠不足解消へ

 低温物流システムのアイ・ティ・イー(ITE、東京都千代田区)は、マイナス25度~プラス25度の一定温度帯を長時間維持できる高機能保冷剤「アイスバッテリー」を消費者向け市場に本格投入した。体温を下げる機能に着目した。夏場の熱中症予防に加え、新型コロナウイルス禍によるストレスがもたらす睡眠不足を解消する商品としてアピールし通年で需要を喚起。2021年度は前年度比4倍の10万個の販売を目指す。

 国内100社超に導入

 「暑くて湿度も高い日本の夏は厳しい。アイスバッテリーの保冷機能を消費者にも役立てたい」(ITEのパンカジ・ガルグ社長)。こうして生まれたのが「アイスバッテリー フレッシュ」で、スポーツ用品製造・販売の松浦工業(大阪市中央区)と共同で開発した。アイスバッテリーはこれまで、厳格な温度管理が必要な医薬品、鮮度が求められる農水産物・食品の輸送や保存に有効なことから企業向け市場の開拓に注力。航空や鉄道といった物流、医療関連企業など国内100社超に導入された。コロナワクチン輸送用としても供給している。

 同フレッシュは冷凍庫で約10時間冷やすと、気温35度の環境下でも表面20度(体感25度)、裏面10度(同15度)という2つの温度を約2時間維持。手のひらや頬、足の裏にあてると体温の上昇や汗の量を抑えられ、昼間は熱中症予防やスポーツ選手の暑さ対策、夜間は快眠グッズとして使うことができる。建設現場や工場、倉庫といった高温環境下で働く作業員の体温上昇を抑えるのにも効果的だ。価格は2178円で、スポーツ用品販売店やドラッグストア、ホームセンターなどで購入できる。

 「手のひらを冷やすだけでぐっすり眠れる」。松浦工業の井戸英二取締役は3日、ダイコクが運営するダイコクドラッグ枚方ビオルネ店(大阪府枚方市)の店頭で、タブレットを片手に持って商品PR用動画を流しながら購入を呼び掛けた。

 無名の新商品にもかかわらず足を止めて興味を示すのは「眠りが浅い」「不眠で悩む家族がいる」といった悩みを持つ人たちで、機能や使い方を説明しながらサンプルを渡すと心地よい冷たさと肌触りに納得。「手のひら冷却(アイシング)が眠れない悩みを解消するのに役立つ」と理解し購入していた。

 15度を2時間維持

 日本の夏は高温多湿で、熱帯夜が続くと寝不足になりがちだ。就寝中に自宅で熱中症にかかってしまうこともある。加えて、コロナ禍による外出自粛や先行きが見えないストレスが睡眠不足に追い込んでいる。

 同フレッシュが快眠をもたらすのは「体温調節機能をもつAVA血管が手のひらに多く、冷却するのに必要な体感15度を約2時間維持できるから」と井戸氏は説明する。

 「睡眠不足に悩んでいる人は多い。夏は熱中症対策にもなる」。ゼビオの大型スポーツ専門店スーパースポーツゼビオららぽーと豊洲店(東京江東区)の佐藤好史店長はこう指摘。スポーツ量販店では初めてという睡眠コーナーを設けて3月下旬から販売を始めた。ゼビオでは全国約130店舗で扱う。

 九州を中心にホームセンターを展開するナフコも「昼間は暑さ対策、夜間は枕として使うアイシング」というキャッチフレーズを使って、同フレッシュを冷凍状態にして購買意欲を刺激している。(松岡健夫)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus