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半導体強化、海外勢の協力が鍵 政府主導で始動「地政学的な優位性もある」 (2/2ページ)

 半導体の争奪戦が世界で起きており、手をこまねいていると、日本は調達難が深刻化する恐れがある。だが今のままでは戦いに敗北しかねない。

 日本勢は半導体売上高の世界シェアで1988年に50%超を占めたが、2019年には10%へ低下した。半導体は市況変動が激しく、巨額の設備投資が必要なため徐々に体力を失い、半ば国策として推進してきた韓国や台湾勢の台頭を許した。

劣勢挽回へ

 「日本企業はプロセッサー(演算処理装置)に代表される先端半導体の設計、開発能力を有していない」(経済系官庁)。とはいえ国内半導体産業が死滅したわけではなく、製造装置や材料といった分野で強みを残す。

 劣勢を挽回するため、こうした分野を活用して、海外勢と先端半導体を共同開発し、量産化する工場の国内立地を促すことが検討課題となる。

 既に台湾の半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)の研究開発拠点を茨城県に誘致するのに成功しており、工場の建設に将来つながる可能性もある。工場誘致に向けて、政府は税制や財政、制度面の支援を検討することになりそうだ。

 米国やEU、台湾といった有志国・地域との半導体調達をめぐる関係強化も課題となる。日米が4月16日に開いた首脳会談で、半導体などのサプライチェーン(供給網)構築について連携していくことで合意したのは、時宜にかなった措置だ。

 日本は共産党一党独裁の中国の影響を台湾、韓国ほど強く受けておらず「立地面で地政学的な優位性も持っている」(経産省)。一連の施策や強みを生かした国内製造基盤の再構築が、半導体産業強化策の眼目と言える。

【用語解説】半導体 一定の条件で電気を通す性質を持つ電子部品。多くの身近な家電製品に組み込まれる。スマートフォンの場合、データを記憶するメモリーやカメラの画像を処理するイメージセンサーなどがある。電車の運行といった社会インフラも支え、軍事分野ではミサイルの制御などに応用される。世界半導体市場統計(WSTS)は2020年12月時点で、21年の世界市場が前年比8.4%増の4694億ドル(約51兆3000億円)になると予測している。

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