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寄席に笑い、映画館は恨み節 制限緩和で明暗「公正な説明ほしい」

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は12日、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県で今月31日までの延長期間に入り、愛知、福岡両県も追加された。一部の地域では大型商業施設の営業やイベントの開催制限が緩和されたものの、業種や施設によっては休業要請が延長となり、明暗が分かれた形となった。(本江希望、石原颯)

 営業再開に安堵

 東京都では無観客を要請されていた劇場や演芸場、イベント開催などが12日から上限5千人、収容率50%に緩和された。

 「好きなタイミングで自由に来られる。気軽に飛び込めるのが寄席の魅力。閉まっているのでは寂しい」

 同日、再開した浅草演芸ホール(東京都台東区)に駆けつけた埼玉県戸田市の男性(27)は消毒と検温を済ませてチケットを購入。待ちきれない様子でホールへ入っていった。

 同ホールでは先月の緊急事態宣言発令後、「社会生活の維持に必要なもの」として開業を継続したが、国からの要請もあり今月1日から休業に転じた。

 同ホール代表の松倉由幸さんは「お笑い、娯楽は欠かせないもの。コロナでストレスを抱えた人々の癒しになれば」と力を込めた。

 浅草では老舗遊園地「花やしき」も営業を再開。普段のにぎわいにはほど遠かったが、アトラクションを楽しむ子供の姿が見られた。

 対応に明暗

 建物の床面積が1000平方メートル超える百貨店などの大型商業施設については、東京都と大阪府が引き続き休業を要請。京都府と兵庫県は平日は時短営業とし、土日の休業を求めている。

 高島屋は営業が認められる「生活必需品」の範囲を見直し、12日から都内の店舗で紳士服や婦人服などの販売を再開した。東京・日本橋の店舗では午前10時半の開店前から約30人が列をつくり、高級ブランド「エルメス」などで買い物をしていた。江東区の女性(72)は「久しぶりに洋服を買いたい」と語った。

 東京都では映画館やボウリング場、美術館などで休業要請が続き、同じ施設内で対応が分かれるケースも。大型商業施設「アーバンドック ららぽーと豊洲」(東京都江東区)にある職業体験型のテーマパーク「キッザニア東京」は12日から営業を再開したが、同じ施設内にある映画館は休業が続く。

 施設を訪れた同区の主婦、栗田啓子さん(61)は「なぜ映画館は営業できないのか、都の休業要請は矛盾を感じる。感染対策をしてリスクが少ないのであれば営業させるべきでは」、同区に住む男性会社員(39)も「(コロナ政策の)ビジョンも出口も見えない」と話した。

 映画館などが加盟する「全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)」の佐々木伸一会長(55)は「劇場や演芸場の感染防止の努力が評価され、休業要請が緩和されたことは喜ばしいが、同じような努力をしてきた映画館が引き続き休業要請となることについての合理的で公正な説明をいただきたい」と都に求めた。

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