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静岡ローカル線、クラファンで出発進行なるか レトロ車両運転体験へ改修費調達

 静岡県富士市を拠点とした小さなローカル線、岳南電車が、昭和レトロな雰囲気の漂う車両「7000形」の運転体験プロジェクトを企画している。ただ、運転体験の実施には、廃線から約10年経って老朽化した線路の改修などに準備資金800万円が必要で、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。目標額に届けば開催となるが、達しなければ企画は白紙に。資金応募期限は6月15日までで、残された時間は1カ月もない。晴れて「出発進行」となるか。

 吉原-岳南江尾(営業距離約9キロ)を結ぶ岳南電車の令和2年度の旅客収入は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前年度に比べて3割ほど落ち込んだ。通勤・通学客が旅客収入の柱だが、沿線の学校の休校や企業の在宅勤務が目立つようになったためだ。

 この苦境に「『頑張って』という(鉄道愛好家らの)声援に応える形として何かできる企画はないか」と社内で検討を重ねた。その結果、電車運転の楽しさを知ってもらおうと、7000形の入線25周年を記念し、運転体験を企画した。

 運転体験は、10年ほど前に廃線となった吉原駅近くの貨物用側線「貨物線路1番線」を活用。CFで目標額に到達すれば、12月に約200メートルの運転を体験してもらう。来年1月以降も定期開催を目指しており、新たな収益源としての期待もかかる。

 ところが、運用するレールは廃線から約10年を経過してさび付き、枕木なども朽ち果てており、安全運行のために施設の改修は必須だ。経営が厳しい同社にとって「改修費を用意する余裕はない」(同社鉄道部)のが実情で、4月からCFで資金を募り始めた。

 寄付額に応じて、さまざまな返礼品を用意しているものの、5月23日夕時点の寄付額は目標額800万円に対し約356万円で、44%にとどまる。目標額に届かなければ企画は消滅し、寄付金も全額返金される。

 厳しい経営が続く中、運転体験イベントを発案した運転士の山田健さんは「皆さんの支援を無駄にしないよう、全力で突き進みたい。引き続き支援をお願いします」と訴える。

 寄付は、CFサイト「キャンプファイヤー」内の、プロジェクト名「岳南電車7000形25周年記念運転体験プロジェクト」で受け付けている。岳南電車ホームページ内にも寄付先のリンクや返礼品(リターン)の詳細がある。

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