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インドとインドネシア、自動車販売回復に乖離

 2020年における世界の自動車販売台数は、新型コロナウイルスの影響で前年比約86%にとどまり、アジア各国でも市場縮小を余儀なくされた。特に、東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の人口を誇るインドネシアでは、ジャカルタほか主要地域で4月から導入されたロックダウン(都市封鎖)により4~5月の自動車販売は大幅に落ち込んでいる。またインドにおいても3月25日以降全土でのロックダウンを敢行し、4月には新車販売台数が0台となった。

 しかし、その後の販売回復については両国で乖離(かいり)が生じている。インドは5月以降持ち直し、8月には前年同月比プラスに転じたが、インドネシアでは落ち込みの最悪期は脱したものの、同マイナス30~50%と低迷が続く。この要因として、ロックダウンの強制力の違いが大きいと思われる。インドでは非常に強固なロックダウン体制が敷かれ、経済活動が厳しく制限されたが、解除後は景気刺激策により経済が回復軌道に乗り、自動車販売も好転している。一方のインドネシアでは、インドほど強固な経済活動の制限には至らず(ただし自動車購入など不要不急のものは大幅ダウン)、その分解除後の経済の持ち直しもそこまで著しくなかったため、自動車販売についても下押しが長く続いている。

 なお、直近ではインドネシア政府が21年3月から「奢侈(しゃし)品販売税」を一時的に減免し、同月の自動車販売台数はプラスに回復した。対するインドでは感染者数が急増し、4月19日には首都ニューデリーでロックダウンを決定するなど、再び販売が落ち込む可能性が高まっている。当面は両国の感染動向や政策など、さまざまな要因の注視が必要となっている。(日本政策投資銀行産業調査部産業調査ソリューション室副調査役・前川大)(編集協力=日本政策投資銀行)

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