金融

米民主議員「貴方いなくなればもっと金融安全に」 FRB副議長へ任期退任求める

 米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ副議長(銀行監督担当)は10月13日に任期切れを迎える。

 今月25日の上院銀行委員会の公聴会では、証言したクオールズ氏に対し、ウォーレン議員(民主)が「あなたがいなくなれば米国の金融システムはもっと安全になる。わが国の金融システムを本当に安全に保つ人物と交代してもらうよう、バイデン大統領に申し入れるつもりだ」と、面と向かって語る場面があった。

 議会民主党は、パウエルFRB議長率いる米金融当局が新型コロナウイルス禍からの経済回復を支えるために講じている超緩和的な金融政策を高く評価する一方、パウエル、クオールズ両氏の下で進められた銀行規制の一部緩和を鋭く批判してきた。

 クオールズ氏のFRB理事としての任期は2032年まであるが、議長や副議長として再任されなければ、理事ポストも退任するのが過去の大部分のケースだった。

 FRBではこのほか、クラリダ副議長が来年1月31日、パウエル議長は2月初めに任期切れとなる。FRB首脳陣の顔触れを刷新する機会があるバイデン大統領だが、このうちクオールズ氏については、ウォーレン氏をはじめとする一部民主党議員から交代を求めるあからさまな圧力に直面している形だ。

 一方でクラリダ氏は、物価安定と最大限の雇用の実現という米金融当局の2つの責務について、これまで経済繁栄の恩恵から取り残されてきた層にも利益が及ぶよう一段と包摂的なアプローチの採用を主導し、議会民主党もこうした戦略枠組みの刷新を歓迎している。

 クラリダ氏は25日、ヤフー・ファイナンスのインタビューで、続投の可能性についてバイデン政権と話し合いはあったか問われ、「そのような議論はしていない」とした上で、「FRB副議長としての仕事をとても満喫しており、大きな栄誉だ。この職務にある限り最善を尽くしたい」と答えた。

 バイデン大統領は先に、米金融当局の独立性を尊重する立場から、まだパウエル氏と話をしていないと明らかにした。しかし、ホワイトハウスが進めるFRB首脳人事の検討プロセスは、米金融当局が債券購入のテーパリング(段階的縮小)を今後議論する時期と重なる可能性があり、政権にとって重大な局面となりそうだ。

 パウエル氏は、再任の打診があった場合に続投するかどうかの質問は全てかわす一方、FRB議長職を気に入っていると話している。ブルームバーグが実施した調査では、対象となったエコノミストの約4分の3がバイデン大統領がパウエル氏に続投を打診するとの予想を示している。(ブルームバーグ Matthew Boesler、Craig Torres)

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