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アップルがズームに対抗 次期OS発表、ビデオ通話をアンドロイド対応

 米アップルは7日開幕した世界開発者会議(WWDC)で、「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」の次期基本ソフト「iOS 15」と「iPad OS 15」を発表した。プライバシーやヘルスケア、スマートホーム、メッセージ、地図、デジタル・ウォレットなどで新機能を追加した。

 バーチャル形式で開催したWWDCでは、ビデオ会議システムのズームを明らかに意識し、ビデオ通話アプリ「FaceTime(フェイスタイム)」の機能改善に重点を置いた。ズームは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で急速に普及した。

 ユーザー同士共有

 フェイスタイムの主要な新ツールでは、ズームなど競合するビデオ会議ソフトに対抗し、音声や動画を改良したほか、通話予定の設定や他者が通話に参加できるリンク送信の機能を採用。この新しいリンクシステムの一環としてアップルは初めてフェイスタイムを「アンドロイド」端末や「ウィンドウズ」パソコンにウェブ経由で利用できるようにした。また、フェイスタイムでユーザー同士が一緒に動画や音楽の視聴、アプリのアクセス、画面共有など行える新機能「シェアプレイ」も導入する。

 アップルはiOS 15とiPad OS 15でプライバシー保護機能を強化。サードパーティー・アプリが収集するデータの内容を詳細にユーザーに示す新メニューを加えたほか、音声アシスタント機能「Siri」のプライバシー保護を強化し、アプリ起動やアラーム設定などの主要タスクをデバイス上で処理してウェブに個人データをアップロードする必要性を減らす。

 通知システム刷新

 iMessageはアップグレードし、メッセージで送られた写真や音楽、記事にアクセスできる新機能「Shared With You」を追加した。iOS 15のアップデートでは、通知システムを刷新し、仕事中やプライベート時間、就寝中などの現状を設定すれば特定の通知しか表示しない「Focus」機能を採用した。

 ヘルスケア機能もアップグレード。センサーを使用して転倒リスクをモニターし、歩行の安定性を測定。個人の健康状態の変化を経時的に示す「トレンド」機能を採用したほか、「アップルウオッチ」から収集した心拍数や運動データなどを医師や家族と共有することもできるようにする。

 アイパッド用の次期OSについては、2010年の発売以降で最大のホーム画面刷新を行い、ウィジェットを画面のどこにでも表示できるようにした。マルチタスクのシステムを改善し、翻訳アプリなども追加する。

 同社はデスクトップパソコン「Mac(マック)」と携帯端末を融合させる取り組みも継続。新たにマック用の新OS「Monterey(モントレー)」を発表した。これを利用することでマックのキーボードやトラックパッドなどの入力機器を使いアイパッドを操作し、端末の垣根を越えてドラッグ・アンド・ドロップなどのファイル操作ができるようになる。

 アプリ販売市場「アップストア」をめぐりアプリ開発業者から審査ガイドラインや不公平な競争を批判されていることに関連し、アップルは08年のアップストア導入以来2300億ドル(約25兆円)を開発業者に支払ったことを強調。アップストアに週6億人がアクセスしていると説明した。(ブルームバーグ Mark Gurman)

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