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青森公立大生がベンチャー インターネットメディア開設、地域情報発信に特化

 情報通信技術(ICT)を活用して地域を盛り上げようと、青森公立大(青森市)の女子学生3人がベンチャー企業「わとな」を立ち上げた。地元出身の視点から地域の課題を解決していくことでビジネスにしていく会社だ。手始めに青森の地域情報に特化したインターネットメディア「Locoty(ロコティー)青森」を開設した。(福田徳行)

 地元情報に需要

 メンバーは、いずれも同大経営経済学部地域みらい学科4年の山田晴香さん(21)、宮古沙紀さん(22)、沢田宇京さん(22)。今年3月まで同大准教授を務めていた木暮祐一さんのゼミ生だった。

 起業のきっかけは昨年4月、ゼミの研究の一環で、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した青森市内の飲食店を支援する「あおもりテイクアウト」の運営を手伝ったこと。地元の人たちの外出機会が減ったことで、地域情報の流れも変わっていた。

 代表を務める山田さんは「コロナ禍の中で店舗の情報発信ツールがないことに気付き、需要があると思ってビジネス化を考えた」という。

 地域情報の有用性を感じ、11月に創業。情報サービス業などを手掛ける「SPOT」(東京都中央区)と提携し、茨城県で先行して行っていた地域情報インターネットメディア「Locoty神栖・鹿行(ろっこう)」のノウハウ、技術支援を受け、今年4月に青森版を開設した。

 人を発見しつなぐ

 Locoty青森では、飲食店だけでなく、遊興施設や暮らしの情報を掲載。さまざまな分野の人たちのインタビューも掲載し、小野寺晃彦青森市長もさっそく取り上げた。山田さんは「市民があまり知らなくても頑張っている人はいると思う。これからはローカルで活躍している人も紹介したい。埋もれた原石を発掘したい」と意気込む。

 インタビューした人を繋ぎながら紹介していくコンテンツも検討中。営業・取材担当の宮古さんは「掲載された人がサイトを見ることで人脈が広がり、新しい発見につながるのではないか」と狙いを話す。

 同社では、情報発信が苦手な事業主に代わってインターネットを使ったマーケティングやコンサルティングで課題を解決していくことを目指す。ウェブサイトの作成や会員制交流サイト(SNS)の運営なども手掛け、青森市の外郭団体からは動画コンテンツの編集業務を受注した。

 こうした地域に特化したビジネスプランが評価され、昨年12月に仙台市で開かれた情報通信団体主催のビジネスモデル構築事業の発表会で入賞し全国大会への挑戦権を手にした。

 社名は私とあなたから 

 社名の「わとな」は、津軽弁で私を意味する「わ」とあなたの「な」から考えた。人と人とのつながりや縁を大切にするという願いが込められている。

 4年生になり卒業論文を書くことになった。山田さんは都会と地方の学生起業の差、宮古さんは地域のリーダーの共通点をテーマにする予定だ。

 山田さんは「青森にはたくさんのすばらしい資源があるにもかかわらず、なぜか自虐感がある気がする。市民一人一人の意識を変えることが重要」と考えている。デジタル技術を活用しながら地域の課題を洗い出し、都会とは違う地方の多様性、価値観を発信することで、地域振興に一役買う。「青森県で一番有名な会社にしたい」と山田さんは意気込む。

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