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「国産新車か、輸入中古車か」激戦の小型SUV市場で新型ヴェゼルが売れているワケ (3/3ページ)

 ■三部社長就任会見スピーチの真意は何か

 ところで新型ヴェゼルの発売日、ホンダの新社長に就任した三部敏宏氏は就任会見スピーチを行った。

 「先進国全体でのEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)の販売比率を2030年に40%、2035年には80%、そして2040年には、グローバルで100%を目指す」とし、「日本国内でのEV、FCVの販売比率を2030年に20%、2035年に80%、2040年に100%を目指す」と発表。さらに「2030年には、HV(内燃機関とのハイブリッド車)を含めて100%電動車とすることを目指す」とした。

 かなり攻めた内容で、報道では「ホンダ、内燃機関との決別!」との文字が勢いよく躍った。しかし、節々に「目指す」との文言で結ぶ三部氏の言葉に、筆者は別の想いを抱いた。

 ■フレキシビリティのある企業体質を示したのではないか

 電動化は揺るぎなく喫緊の課題ながら、EV、FCV、HVでそれぞれ目標となる数値を、実現の可能性を算段した上で世界に発信し、同時にステークホルダーにそれを示した。ここに最大の意義がある。

 そしてこの先、世界のエネルギー情勢に新たな潮流が見られ(例/水素社会の台頭)、環境対策論に変化を求める声があがれば、それにいつでも、世界の市場で対応できるフレキシビリティがあると声高にしたのではないか……。これにはEV(電気自動車)こそすべてとする欧州勢へのアンチテーゼも含まれる。

 つまり、時代が求めるマルチソリューションに対応可能な企業体質こそ、次世代の“ホンダらしさ”があるのだと力説した、と筆者は解釈した。

 電動化のシナリオには当然、内燃機関との共演もあり得るということ。ヴェゼルよろしく、ここも融合がテーマだったわけである。

 

 西村 直人(にしむら・なおと)

 交通コメンテーター

 1972年1月東京生まれ。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつために「WRカー」や「F1」、二輪界のF1と言われる「MotoGPマシン」でのサーキット走行をこなしつつ、四&二輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行い、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。著書には『2020年、人工知能は車を運転するのか』(インプレス刊)などがある。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

 (交通コメンテーター 西村 直人)(PRESIDENT Online)

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