金融

ソフトバンクグループがマイノリティー企業向け投資ファンド、第2弾を年内設立

 ソフトバンクグループは黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡した昨年の事件からわずか1週間後に、「オポチュニティー・ファンド」を創設した。人種的マイノリティー(少数派)の起業家が率いる企業に投資する1億ドル(約110億円)規模の同ファンドは、この種のファンドとしては最も大きい。その1年後、ソフトバンクGは既に資金の半分を割り当て、2つ目のファンドを年内に設立する予定だ。

 こうした投資が成功するかどうかを判断するのは時期尚早だ。米国の新興企業約50社に資金が投じられ、ソフトバンクGなどからさらなる資金を募る前に事業の妥当性や強みを証明する機会が与えられている。

 大金を積むのは誤り

 投資先の全てが黒人かラテン系の起業家によって設立された新興企業だ。平均的な投資額は100万ドルで、6社前後が既に次の資金調達に向けて準備を進めている。

 ソフトバンク・グループ・インターナショナルのマネジングパートナーで同ファンドを率いるシュー・ニャッタ氏は「最も大きな違いを生み出せるのは、シードキャピタル(ファンド設立時の拠出金)とシリーズAだ」と指摘。「大金を積むのは間違ったやり方だ」と述べた。

 マイノリティーの起業家にはこれまで大金はおろか、シードキャピタルへのアクセスもめったになかった。米ハーバード大学経営大学院の調査によると、1990年から2016年までにベンチャー資金を受け取った企業のうち黒人・ヒスパニック系は4.2%にとどまる。

 フロイドさんの死は、世界中を席巻した人種差別反対運動と同様に、ベンチャーキャピタリストにも行動を促すきっかけとなった。

 ソフトバンクGのファンドのほか、コンクリート・ローズ・キャピタルと呼ばれる新たな投資会社はマイノリティーに対応する企業や創業者への投資で1500万ドルを調達。黒人が率いる最大のベンチャーキャピタル、ベース10は1年前に人種平等を掲げる団体に利益の1%を寄付すると表明。ブルームバーグ・ビジネスウィークによると、黒人系大学の寄付基金を強化する新たな計画の概要も示した。

 特別なことをしたい

 1000億ドル規模のビジョン・ファンドを運営するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズは昨年、マイノリティーの起業家に助言を提供する取り組みを開始。この「Emerge」プログラムの下、オポチュニティー・ファンドよりも早い段階の企業を対象に、各社に15万ドル以上を投じている。昨年は米国に本拠を置く14社に投資し、今年は欧州に対象を拡大する見込みだ。

 2つ目のオポチュニティー・ファンド向けに、ソフトバンクGは再び自社の財源を活用するか、パートナーを探す可能性がある。ニャッタ氏はポートフォリオの企業以外にも対象が広がる可能性を想定している。同氏は「この分野で本当に特別なことをしたい。さもなければ何もしないとの同じだ」と語った。(ブルームバーグ Sarah McBride)

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