大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 次世代科学者育成プログラム 工学院大学とEKOがタッグ

 ≪工学院大学≫

 総合研究所ソーラービークル研究センターは、英弘精機と「EKO-EMPOWER 未来オンライン教育プログラム」をスタートする。

 第1弾は、第一線で活躍するEKOの技術者が、モビリティ社会の実現や次世代電気自動車の開発に必要とされる気象・環境センシング技術について、オンライン講義プログラムを実施する。産学連携の講義は、工学院大学ソーラーチームと工学院大学附属中学校・高等学校自動車部を対象として3回にわたって行われる。モビリティ開発を担う人材を育成し、SDGs4番「質の高い教育をみんなに」、7番「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に貢献することを目的とする。まずは、8月に開催されるソーラーカーレース「ワールド・グリーン・チャレンジ」(秋田県大潟村)で、優勝を目指す。

 がん細胞を侵撃する医薬品成分の量産技術考案

 ≪東京都市大学≫

 理工学部原子力安全工学科の高木直行教授らは、悪性黒色腫や白血病等の新たな治療法として、近年注目される「α線源内用療法」の医薬品主成分であるアクチニウム225(Ac-225)を効率的に生成する技術を考案した。病巣の内部からα線を照射し、がん細胞を死滅させる「α線源内用療法」の開発と普及に期待が集まっており、Ac-225はさまざまながんへの有効性が確認されているものの、有効な生成技術が確立しておらず、全世界における供給量は年間約3000人分程度にとどまっている。今回考案した生成技術は、従来の原料ラジウムに比べ、自然界に約50倍豊富に存在するトリウム230を原料とし、既存の発電用軽水炉で長期間中性子照射することによりトリウム229(Th-229)へ変化させた後、目的のAc-225を約2カ月毎に分離・抽出するもの。Th-229の半減期は約8000年と長いため、半永久的な生成と量産が可能となる。今後は、実用化に向けた研究を継続し、国内の既存設備を用いた医療物資の自給への貢献を図る。

 学生デザインの江戸切子のグラスを商品化

 ≪芝浦工業大学≫

 デザイン工学部4年生(2019年当時)の勝山基徳さんがデザインした富士山を表現した江戸切子のグラス「富士山切子」が、GLASS-LAB株式会社より商品化された。5月12日からECサイト(https://glasslab.official.ec/)で販売している。デザイン工学部の産学連携による授業「プロジェクト演習」で、企業の持つ加工技術を生かしたデザインを提案し、コラボレーションに至った。デザインはグラスを斜めに飾れるようにし、三角形上部で富士山の積雪を表現。江戸切子の加工技術の中でも平らな面を作る「平切子」と、砂でガラス表面を磨りガラス状にする「サンドブラスト」という同社の特徴的な技術を使用した。

 デザートの「フルーチェ」にリラックス効果

 ≪金沢工業大学≫

 心理科学科の神宮英夫教授の研究室は、ハウス食品との共同研究でハウス食品の牛乳でつくる液体デザートベース「フルーチェ」がリラックス効果をもたらすことを確認した。心電計の測定結果(HF値)からリラックス効果を測定し、VAS尺度による感性評価を行い、(1)ただ休憩するよりもフルーチェ作成時のほうがリラックス(2)「フルーチェを作って食べる」と聞くだけでリラックス状態に(3)フルーチェの喫食中と喫食後には、リラックスと落ち着きをもたらす、という結果を得た。神宮教授は「フルーチェに対する先行経験の記憶が、リラックス効果をもたらしているものと考えられます。コロナ禍の中で、心を切り替えるきっかけにしていただければ幸いです」という。

 ゲーム&メディア学科で高校と連携授業実施

 ≪大阪電気通信大学≫

 総合情報学部ゲーム&メディア学科教員が、大阪電気通信大学高等学校普通科メディア情報コース2年生を対象に高大連携授業を実施している。同コースは昨年設置され、同大ゲーム&メディア学科などへの進学も視野に、画像処理やCG、sound、Webなどのメディアに関する基礎知識・技能を学習している。

 第3回の授業では、ゲーム&メディア学科のナガタタケシ准教授が講師となり、AR(Augmented Reality=拡張現実)の定義や未来像などについて解説。大学院生のサポートの中、生徒たちはパソコンやタブレットを使って空間に3Dを出現させるワールドオブジェクトを作成、校内の風景写真と合成して作品を完成させた。今後も、映像やサウンドなどについて大学教員による授業を予定している。

 日本最大規模 出芽酵母の研究資源拠点始動

 ≪広島工業大学≫

 ライフサイエンスや醸造に利用される出芽酵母の研究資源の収集、保存、提供を通して、世界規模で生命科学や発酵産業の研究・開発に貢献する国家プロジェクト機関として活動を始めた。生命学部の実験室に零下80度の超低温フリーザー5台を据え、酵母やDNAなど日本最大級の2万5000以上の研究用資源を冷凍保存する=写真。この中には、2016年に「オートファジーの仕組みの解明」でノーベル生理学・医学賞に輝いた大隅良典博士が実験に使った酵母も保存されている。

 幅広い生物遺伝資源を基に基礎・応用研究を推し進める国のナショナルバイオソースプロジェクトの一環で、酵母では広島工業大学と大阪市立大学が2大拠点。広島工業大学の責任者である生命学部食品生命科学科の杉山峰崇教授が4月に着任したのに伴い、杉山教授の前任の大学から広島工業大学に拠点が移った。

 栃木県内初の自動運転バス実証実験に協力

 ≪埼玉工業大学≫

 栃木県茂木町で6~20日に開催された自動運転バスの実証実験「栃木県ABCプロジェクト」に、車両提供と技術支援で協力した。今回は、道の駅もてぎ~茂木駅~ふみの森もてぎ(往復約3.7キロ)の公道を運行し、一般募集した県内のモニターが乗車して自動運転を体験した。同プロジェクトは中心市街地の周遊性向上や日常生活における移動手段の確保を目的に、自動運転バスを運行する実証実験を実施して、栃木県内における本格運行を目指すもの。埼玉工業大学と同学発ベンチャーのフィールドオートは、運営主体である建設技術研究所をはじめ、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパン、ティアフォーとともに、高精度3次元地図とGNSS及びLiDARを用いた自動運転システムによるマイクロバスを運行する実証実験を実施した。

 CO2排出ゼロ下での成長、数理モデルで証明

 ≪東京理科大学≫

 ビジネスエコノミクス学科の野田英雄教授らは、CO2排出実質ゼロ(ネットゼロエミッション)社会においても、持続的な経済成長が可能であることを数理モデル分析によって示した。地球温暖化対策の新たな国際的枠組みであるパリ協定が2015年12月に採択され、長期的な目標としてネットゼロエミッションが掲げられた。果たして、その目標を達成し、かつ持続的な経済成長も実現できるだろうか。このような問題意識のもと、野田教授らは、環境保全の「キンダーガーテン・ルール」を考慮した経済成長モデルを構築し、厳密な分析を行った。

 その結果、一定以上のGDPを有するという前提のもと、ネットゼロエミッションと持続的な経済成長が両立可能であることを明らかにした。同研究は、SDGsの中でも特に目標8のターゲット8.4と関連しており、SDGsの理論的基礎付けに貢献する重要な成果といえる。

【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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