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ユーグレナが日本初のバイオ燃料による民間機飛行に成功 ミドリムシ由来

 バイオベンチャーのユーグレナは29日、同社が開発したミドリムシ由来のジェット燃料を積んだ民間機の飛行に日本で初めて成功したと発表した。ユーグレナのジェット燃料は、廃食油90%とミドリムシ10%の比率で混合させたもの。鹿児島空港から「ホンダジェット」が羽田空港に到着、機体から降り立った出雲充社長は「空のカーボンネットゼロの世界を実現させたい」と語った。

 ユーグレナのバイオ燃料は、すでにバスや船舶用のバイオディーゼル燃料として使われている。陸海空のすべての輸送モードで実績をあげたことを受け、ブランド名「サステオ」と称してバイオ燃料の普及活動に取り組む。

 バイオジェット燃料は海外ではすでに普及拡大期に入っているが、日本での普及はこれから。ユーグレナのバイオジェット燃料は横浜市鶴見区にある実証プラントで生産されているが、現在年産125キロリットルに限られるため、1リットル当たりの販売価格が1万円を超える。

 そこで同社は2025年までに量産プラントを建設。今の2000倍にあたる年産25万キロリットルにまで引き上げる。原料となるミドリムシの大型培養施設もインドネシアに建設。大量生産によるコストダウンを図り、1リットル当たりの販売価格が200円前後と海外製と遜色ない水準を目指す。

 バイオジェット燃料をめぐっては、ユーグレナのほかにも環境ベンチャーの日本環境設計(東京都千代田区)とグリーンアースインスティチュート(同文京区)が、古着などの衣料品に含まれる綿を原料としたバイオジェット燃料の開発を共同で進めている。

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