金融

スルガ銀行株主総会、見えぬ再建策 ノジマ提携解消に説明なし

 経営再建中のスルガ銀行は29日、静岡県沼津市で定時株主総会を開いた。アパートやマンションの購入者に対する不正融資問題をめぐって紛糾したが、取締役6人の選任議案などが賛成多数で可決された。資本・業務提携の解消を視野に協議を申し入れた家電量販店大手ノジマへの対応は明確な説明がなく、再建への道筋は依然不透明なままだ。

 出席した株主によると、議長を務めた嵯峨行介社長は不正が確認された場合は被害を回復する姿勢を示したものの、個別に検討すると強調。一括で解決を求める株主の怒号が飛び交ったという。嵯峨氏はノジマについては言及せず、別の幹部もノジマからも役員人事案の提案を受けていたことを説明するにとどまった。

 ノジマは不正融資が発覚したスルガ銀の株式を創業家から取得するなどして2019年10月に筆頭株主になったが、経営方針で対立。ノジマの野島広司社長は今月1日付でスルガ銀の社外取締役副会長を辞任し、スルガの再建から離脱した。

 ノジマ関係者は「地域で集めたお金を地域に貸して発展するリテール(個人向け営業)バンクの再生モデルにしたかったが、かみ合わなかった」と説明する。個人や中小事業者向け融資に注力するよう求めるノジマに対し、スルガ銀は大口の投資用不動産ローンなどで稼ぎたい思惑が強く、折り合えなかったという。

 人口減少で地域経済の地盤沈下が続く中、提携を模索する地方銀行は多い。5月には青森県の青森銀行とみちのく銀行が、24年4月の合併に向けた協議を進めることで基本合意。福井県の福井銀行は福邦銀行を今年10月に子会社化する。

 ただ、マネックス証券の大槻奈那(おおつ・きなな)チーフ・アナリストは「統合や異業種との提携は選択肢の一つだが、収益力を上げる特効薬にはならない」と指摘する。単独で生き残れない企業同士が合併してもコスト削減以上の効果は生まれにくい。

 異業種のノウハウを取り込むスルガ銀とノジマの提携は注目されたが、結局破綻した。新型コロナウイルス禍で疲弊が進む地域経済を立て直す術はまだ見えない。

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