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夢が追える場所へ 「銭湯にアート」で地域活性化、ある移住者の決断 (2/2ページ)

 「半農半X」を応援

 移住してきた日高さんには、多度津町は自然環境も良く観光資源もあるのに「十分に生かし切れていない」ようみえるという。

 コロナ禍で現在は観光業は厳しいが、自治体がもっと観光拠点の整備に取り組むべきだと訴える。

 日高さん自身も、昨年12月には観光客が陶芸や窯焼きピザの体験ができる施設を開設。今後は芸術家を志す若い人が集えるゲストハウスを年内にもオープンさせたいという。「若者たちにゲストハウスに集って夢を語ってもらいたい」と話す。

 また、自給自足型農業をしながら好きなことに打ち込む「半農半X」というライフスタイルができる環境をつくることで、若い移住者を呼び込みたい、と考えているという。若い移住者が集まれば、地域に活力も生まれるだろうという狙いだ。

 氏家さんらと一緒にNPO法人を運営。「スキマ野菜販売所」という取り組みも始めた。家庭菜園のように農業を営み、農産物を消費者に直接配送して収入を得られる仕組みだ。

 考えているのは、若きアーティストのサポートだ。

 日高さんは「芸術家として身を立てられる人は限られる。農業で最低限に生計を立てつつ、できるだけ長く夢が追えるよう芸術家の卵を応援したい」と話す。

 ナオトさんのように、自分のやりたいことで生きていける若者を一人でも増やしたい、と願う日高さん。

 「多度津町はごくふつうの田舎まち。だからこそ伸びしろしかない。『多度津に住めば夢が追える』という評判になるよう頑張りたい」と力強く語っていた。(和田基宏)

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