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熱海土石流は岩盤から根こそぎ崩落 土砂10万立方メートル、深層崩壊か

 大雨の影響で、甚大な被害をもたらした静岡県熱海市伊豆山地区の土石流。専門家は、標高の高い場所で岩盤から崩れ落ちる「深層崩壊」が起きたことにより、土石流が発生した可能性が高いとみている。また、崩れた場所には人工的に造成された地点もあったことから、「急斜面への盛り土は危険がある」とも指摘した。

 山の斜面が崩れる「斜面崩壊」には2種類ある。一つは「表層崩壊」で、地表から2~3メートル以内の表土層のみが崩れる。一方、「深層崩壊」はそれより深い場所にある岩盤から根こそぎ崩れる現象だ。一般的に深層崩壊の方が被害も大きくなる。岩手大の井良沢道也教授(砂防学)は、現場の状況から深層崩壊が起きた可能性が高いとみている。

 県は4日、崩落した土砂の量は、発生源に堆積していた盛り土を含め約10万立方メートルに及ぶ可能性があると説明した。井良沢教授は「表層崩壊が複数発生したとしても、この土砂の量は発生しない可能性が高い」とみる。

 伊豆山地区を襲った土石流は1回のみではなく、複数回発生したという目撃談もある。これは、逢初(あいぞめ)川の上流で深層崩壊が起き、多量の土砂が川床をせき止め、その後決壊して下流に流れたか、川床に大量にたまった土砂が上流からの水で複数回の土石流になったためとみられるという。

 今回の土石流は、黒い泥が多く含まれる「泥流型土石流」とみられる。現場の映像などから、土石流には砂や石の粒があまり含まれず、粒子の細かい火山灰が水を吸い、泥っぽくなった可能性が高い。泥流型の土石流は流れが速くなりやすく、今回も「非常に流れが速かった」という。

 井良沢教授は、斜面崩壊が起きた地点の映像を踏まえ、斜面の土に開いた穴から、水が噴き出しているとも指摘した。

 穴は「パイプ流」と呼ばれる地下水の通り道が露出したもので、通常は木の根が腐ったり、動物が掘ったりして生じる。豪雨により、大量の水がこの穴をつたって地層に浸透していった可能性もある。井良沢教授は「これだけ激しく水が出ているものは初めて見た」と話した。

 崩れた地点には人工的に造成された土地が含まれており、井良沢教授は「盛り土は10メートル以上の厚みがあるのではないか。急斜面に人工的に造成した斜面は大変危険だ」と指摘した。

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