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人当たりの良さで採用と出世が決まる? ワークマンには“凡人しかいない”は本当なのか (1/3ページ)

 社員に競争を煽ったり無理をさせたりしないのに、しっかり業績を伸ばす会社は何が違うのか。これは就活や転職活動中の人にも必須の視点だ。連載「社員を追い詰めない“脱力系”企業」第1回は「しない経営」で10期連続最高益を成し遂げ注目を集めるワークマン。専務の土屋哲雄さんは著書やインタビューで「ノルマなし、期限なし、残業なし、社内行事なし」「社員がストレスになることはしない」と言い切り、「優秀かどうかで採用しない」とまで言っているが、本当なのか。新規店舗オープンを直前に控えた現場社員に取材した--。

 ■凡人による凡人の経営

 今回取材に応じてくれたのは、ワークマン・新業態事業部の吉田悟さん(29)と稲富恵子さん(26)のおふたりだ。

 吉田さんは新業態事業部のチーフであり、稲富さんの上司にあたる。稲富さんは6月17日にオープンした「#ワークマン女子南柏店」のフォーマット(什器の発注や商品の陳列など)の担当者。同店は、ワークマン女子としては初のロードサイド店である。

 最初にちょっと聞きにくいことを質問。

 ワークマンには「スター・プレイヤーは不要」であり、「凡人による凡人の経営」が行われているそうだが、おふたりは自分自身のことを「凡人」だと認識しているのだろうか。

 「高校時代は陸上部でハンマー投げを結構がんばってやっていまして、地区大会で3位に入る成績でしたが、大学(関東学院大学)時代は人並みというか、勉学の面でもごく普通の学生でした。(仕事の)能力としては、たしかに平凡だと思いますね」(吉田さん)

 「大学(東京農大)は収穫祭の時だけ熱くなる、メリハリのある大学でした(笑)。写真サークルに入っていましたけれど、普通に暮らしていましたね。きっと吉田さんより、一層平凡な人間だと思います(笑)」(稲富さん)

 ■オープン直前に、なぜこの余裕

 ちなみに取材日は6月8日。担当店舗のオープン直前にインタビューを受けている余裕などあるのか、ちょっと心配になった。稲富さんが言う。

 「南柏店の立ち上げにかかわって約1カ月半になりますが、すでに仕事の70%は終わっています。350ぐらいあるアイテムはすでに陳列を終えていて、あと3、4日でよりかわいらしく見えるように手直しをして私の仕事は終わります。ですから、時間的な余裕はあるんです」

 ■準備が間に合わなければオープンを遅らせる

 新店舗のオープンといえば、前日の深夜、あるいは当日の明け方近くまでドタバタ騒ぎが続くのが普通だと思うが……。上司の吉田さんが言う。

 「スケジュール管理ができているというよりも、ワークマンは施工を開始する期日が他社に比べて早いんです。他社の場合、商品の搬入から陳列まで1週間なんて普通のことですが、ワークマンは(個店の場合)1カ月程度の時間をかけます。だから余裕がある。しかも、何日までに仕事を終わらせるという目標は立てても、それは決して期限ではありません。だから、それぞれのペースで仕事ができるんです」

 余裕のある日程を設定するだけでなく、ワークマンは仕事に期限を設けない(納期を定めない)というのだが、「目標は立てても期限はない」とは、わかるようでよくわからない言葉だ。

 「仕事の期限が決まっていたら、プレッシャーを感じてしまって、とにかくその日に間に合わせるように仕事をしてしまうと思います。でも南柏店の場合、オープンの日は決まっていますが、それまでのスケジュールは自由にやらせてもらっています。もしも、スケジュールを決められていたら、『いまいちだけどオープンしちゃえ』ってなるかもしれません。スケジュールが決まっていないからこそ、納得できるまで売り場をよくしたいと思えるんです」(稲富さん)

 つまりワークマンでは、「期日を設けてそれに間に合わせる」ことよりも、「納得のいく売り場づくり」を優先しているということになるだろうか。

 準備が間に合わなければオープン日を遅らせてしまうことさえあるというから、筋金入りだ。

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