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福岡市、コロナ後にらみ布石 都市成長へ講座・実証実験 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自治体はここ1年半、感染対策やワクチン接種、事業者支援など目の前の課題に追われている。ただ、街の成長に向け中長期的な布石を打つことは緊急事態だからといってなおざりにはできない。むしろ経済が落ち込んでいるからこそ、その姿勢が問われるともいえる。福岡市はコロナ後の成長に向けた施策を粛々と進めている。

 「こういう時代だからこそ、次世代に向けチャレンジする」

 14日、技術者が集まる福岡市中央区の「エンジニアカフェ」で、高島宗一郎市長はこう力を込めた。

 国の重要文化財「福岡市赤煉瓦文化館」に市が開設したエンジニアカフェでは、今夏スタートする新たな人材育成プログラム「データ エンジニア カタパルト」の発表会が開かれていた。

 ウェブサービスなどの開発現場で第一線の技術者として働けるよう大学生や専門学校生、高専生らを短期集中型で育成するプログラム。講座は、主に社会人向けのエンジニア・起業家養成を手掛ける「G’s ACADEMY(ジーズアカデミー)」が提供し、講師は福岡の起業家や現役のエンジニアが務める。

 授業はオンラインとオフラインを併用し、半年間でウェブサービスを独力で開発できるようになることを目指す。来冬に企業担当者も参加する発表会を開き、人材のマッチング機会を提供する。受講料は1万円だが、発表会に参加すれば全額返金する。

 即戦力の人材供給

 コロナ禍をきっかけに社会全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める機運が高まり、技術者のニーズも必然的に増していく。

 ただ、ウェブサービスの開発現場では、単にプログラミングに精通するだけでは通用せず、データを分析し、顧客ニーズをつかむ能力までが求められる。新卒学生の育成は大企業では可能でも、スタートアップ企業や中小企業では難しい。そのため、市担当者は「市内には九州大をはじめ多くの理工系の学生がいるが、人材は流出していた」と嘆く。

 今回のプログラムを通じ市は、意欲ある学生のレベルを引き上げ、即戦力のデジタル人材として市内企業に供給できる態勢作りを目指す。

 ジーズアカデミーを設立した児玉浩康氏は「技術教育では、(オフラインの)集合型で切磋琢磨して得られる刺激の効果がとても大きい」と語る。その意味ではワクチン接種が進み、コロナ禍の収束が見えつつあることは追い風になる。

 市は、14日から受講者の募集を始め、8月から授業が始まる。要項などは市ホームページ(https://efc.fukuoka.jp/catapult2021/)から確認できる。

 ワンストップ窓口

 一方、市はコロナ禍の収束後を見据えた新たな事業作りにも取り組んでいる。高島氏は「社会の価値観が変わるときは新サービスを生み出すチャンスだ。(コロナ禍の)裏で、次に向けた種を粛々と育てている」と強調する。

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