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中国系スマホが日本市場に攻勢、小米が3万円端末 政治リスクなお

 中国スマートフォン大手の小米科技(シャオミ)とKDDIは2日、第5世代(5G)移動通信方式に対応した端末価格約3万円の新端末「Redmi Note(レッドミーノート) 10 JE」を3日に発売すると発表した。小米やOPPO(オッポ)といった中国系スマホメーカーは携帯電話大手と共同で新端末を次々に投入しており、米制裁の影響で端末販売が伸び悩んだ華為技術(ファーウェイ)のシェアを奪い取る狙いだ。ただ、事業環境が政治的な動向に左右されやすいリスクもあり、将来性の不透明さは拭えない。

 小米の新端末はKDDIの販売する5G端末では最安値クラスとなる2万8765円。小米が中国で販売している端末をベースに、防水や非接触決済の「おサイフケータイ」など日本国内に合わせた機能を追加したという。

 2日に発表会見したKDDIの木下祐介プロダクト企画部長は「3Gの従来型携帯電話や4Gのスマホから5Gに切り替えるエントリー端末として活用いただきたい」と述べた。小米の東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏は「オネストプライシング(正直な価格)で必ず成功できると思っている」と自信をのぞかせた。

 小米はスマホなどのハードウエアの利益率が5%を超えないことを取締役会で決定しており、高い性能と手頃な価格でスマホの世界シェアを伸ばしてきた。シンガポールに本部を置く市場調査会社Canalys(カナリス)によれば、今年4~6月期のスマホの世界出荷台数シェアで小米は2位の17%。出荷台数を前年同期比83%増とし、シェア1位の韓国サムスン電子に迫った。中国国内などでは、カメラ性能が世界最高クラスのハイエンド端末を投入するなど、高機能で人気を集めている。

 小米は高機能端末が米アップルの独壇場となっている日本市場では現状、オッポと同様に価格が4~5万円台のミドルクラスや2~3万円台のエントリークラスの端末に力を入れている。ただ、ワン氏は2日の会見で「今日はハイエンドの発表はないが期待してください」と述べ、高機能端末の国内投入も示唆した。

 一方、小米など中国企業には特有の懸念がある。華為のスマホが米制裁の影響でグーグルの各種サービスをアプリで利用できなくなったことや、中国配車アプリ大手の滴滴出行が中国政府の統制により事業縮小を強いられていることと同様の政治的な問題が、中国スマホ各社にも生じないとはかぎらない。MM総研の横田英明研究部長は「小米やオッポは華為と違って基地局などのインフラのシェアが高いわけではないので米国からの制裁などをそこまで心配する必要はない。しかし中国企業は当局の意向次第で事業環境などが変わってしまうので、そこは不透明と言わざるを得ない」と指摘した。(大坪玲央)

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