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CO2ゼロ工場 事業化視野に実験 デンソー、京セラ、パナが技術確立へ

 脱炭素社会の実現に向けて、二酸化炭素(CO2)を排出しない技術を確立するため、製造業による自社工場を利用した実証実験が活発化している。製造各社はCO2排出量ゼロを目指す長期的な環境目標を定めて達成に向けて動くとともに、技術の事業化にも取り組む。

 自動車部品大手のデンソーは安城製作所(愛知県安城市)の電動開発センター内に「CO2循環プラント」を建設し、工場から排出されるCO2を回収してメタンガスを生成する技術の実証実験を始めている。メタンガスはCO2と再生可能エネルギーを活用して生成した水素から合成。エネルギー源として再利用する。

 CO2循環プラントは豊田中央研究所(同県長久手市)と共同開発した。デンソーはさらに新技術を導入し、改善を重ねて、設備の小型化を図る。同社は令和17(2035)年までに生産過程でCO2排出ゼロを達成する目標を掲げており、他工場へのプラント設置も視野に入れている。

 篠原幸弘経営役員は「7年に社会実証し、12年に事業化。17年には3000億円の売り上げを目指したい」と述べており、CO2循環プラントを新たな収益の柱に育てる方針だ。

 京セラも滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)で、国内初となる蓄電池を活用し、再生エネ電力を自己託送する実証実験を行っている。自己託送は、自社工場などで発電した電力を電気事業者の送電線を使って別の拠点に供給する制度で、今後の普及拡大が見込まれている。

 実証実験では、約2キロ離れた野洲市が所有する2000平方メートルの敷地に京セラの太陽光発電設備約150キロワットを設置。ここで発電した電力を関西電力の送電網を通して、滋賀野洲工場に供給する。

 京セラグループは12(2030)年度に排出する温室効果ガスを平成25年度比30%削減、再生エネの使用量を25年度比10倍とする目標を定める。浜野太洋執行役員は「目標達成に向けての活用と、顧客企業への電力サービスとしての事業化も計画している」と語る。

 一方、パナソニックも来年4月から草津工場(同県草津市)で、純水素型燃料電池と太陽光を組み合わせた自家発電の実証実験を始める。同社も令和12年にCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、他の国内工場にも広げる方針だ。楠見雄規社長兼最高経営責任者(CEO)は「(草津工場の)ソリューションを事業として磨き上げたい」と述べ、自家発電システムの外販も視野に入れる。

 世界の主要国が2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)の実現に向けて動き出しており、大きな商機が到来。国内製造各社はカーボンニュートラルに貢献する独自技術の確立を急ぐ。(黄金崎元)

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