シャープが5日発表した令和3年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比18・9%増の6115億円、最終利益が2・6倍の216億円で増収増益となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巣ごもり需要が続き、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電、テレビの販売が好調だった一方、世界的な半導体不足が生産に影響した。
家電は国内で冷蔵庫などの大型家電が好調で、北米ではビルトイン型のオーブンレンジ、アジアでは白物家電が伸長。テレビは高価格帯の製品を中心に売り上げを伸ばした。一方、パソコンや液晶ディスプレーは半導体不足で需要に生産が追い付かない状況が一部で発生。4年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比5・1%増の2兆5500億円、最終利益が42・7%増の760億円とする当初の見通しを据え置いた。
決算発表会見で野村勝明社長は「半導体不足に加え、コロナの感染拡大で東南アジアでロックダウン(都市封鎖)が起きるなど、生産面で影響が出る可能性があるが、生産移管などで影響を最小化させる」と述べた。
また、シャープは同日、東京証券取引所が来年4月に新設する新市場区分の一次判定で、最上位のプライム市場での上場維持基準に適合していることを確認したとし、同市場への申請を行うことも発表した。