話題・その他

「100人乗っても大丈夫!」忘れられないあのキャッチコピーに隠された“ある工夫” (2/2ページ)

 ■メリットを数字で具体的にイメージさせる

 次に、「メリット+証拠で理性に訴える」文章を考えてみましょう。

 (1)抽象的なメリットの例文

 この商品を取り扱っていただくと、高い粗利が確保できます。

 (2)具体的なメリットと、それを裏付ける実績を書いた例文((1)の改善例)

 この商品を取り扱っていただくと、坪あたりの粗利益率が0.5ポイント改善し、年間にして10万円の利益貢献が想定されます。すでに下記の企業様に実験・導入いただき、喜びの声を頂戴しております。

 「この提案を受け入れれば、自社にどんな効果があるのか」を、数字を使って具体的にイメージさせます。さらに、実際にそのメリットを享受している企業事例を列挙するなど、事実や実績を書きます。それが裏付けとなり、説得力が増します。

 ■相手の感情を揺さぶる3つの要素

 では、いよいよ思いを伝える文章を考えてみましょう。

 (1)この提案(商品)にどんな思い入れがあるかを考えた例文

 多くのバイヤー様からのヒアリング、消費者様からアンケートとグループインタビューで要望を集め、その声を商品に反映させました。消費者庁の許可まで3年をかけ、売り場貢献に加え、消費者様の健康に貢献できる商品が開発できたと自負しております。ぜひ貴社の戦略商品としてお取り扱いいただきたくお願い申し上げます。

 (2)改めてどのようなメリットを感じてもらいたいかを追加した例文

 新商品は機能性成分を加えるとともに、製法を変更することで、血液中の中性脂肪と血糖値の上昇を緩やかにする効用があります。スナック菓子でありながら、トクホ商品として健康に気を遣いながら食べられる利点があります。

 (3)どんな世の中を作りたいのかを考えた例文

 現在、肥満や成人病に悩む方、あるいはその予備軍はかなりの数に上ります。私たちは新商品の提供を通じて、すべての人に健康的で豊かな食生活を実現していただきたいと考えております。

 この商品にどんな思い入れがあるか。

 この商品提案を受け入れることで相手にどうなってほしいか。

 どんな世の中を作っていきたいか(使命感)。

 以上3つの要素を入れることで、相手の感情を揺さぶるのです。

 特に最近はSDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティが注目されており、3つ目の「使命感の訴求」は避けて通れません。

 白鳥 和生(しろとり・かずお)

 日本経済新聞社 編集 総合編集センター 調査グループ次長

 明治学院大学国際学部卒業後、1990年に日本経済新聞社に入社。編集局記者として小売り、卸・物流、外食、食品メーカー、流通政策の取材を長く担当した。『日経MJ』デスクを経て、2014年調査部次長、2021年から現職。著書(いずれも共著)に『ようこそ小売業の世界へ』(商業界)、『2050年 超高齢社会のコミュニティ構想』(岩波書店)、『流通と小売経営』(創成社)などがある。消費生活アドバイザー資格を持つほか、國學院大学経済学部非常勤講師(現代ビジネス、マーケティング)、日本フードサービス学会理事なども務める。

 

 (日本経済新聞社 編集 総合編集センター 調査グループ次長 白鳥 和生)(PRESIDENT Online)

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