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電動車、快適な車内・走行音を演出 大手メーカー ゲーム・映画業界と協業

 大手自動車メーカーが電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の音づくりにこだわっている。モーターを使って走る電動車は、エンジン車よりも静かで、運転手の意識が車内の音に向きやすい。これまでのエンジン音に代わる電動車ならではの響きを求め、ゲーム会社や映画音楽の作曲家と共同開発する動きが出ている。

 日産自動車はバンダイナムコ研究所(東京)とシートベルトの締め忘れや半ドアなどを知らせる音を開発した。昨年12月に発売した主力車「ノート」から順次、新型車に採用している。異色の協業で、状況の変化や必要な情報を的確に伝えるゲーム業界の音づくりの知見が生かされたという。

 目指したのはブザーのような警告音ではなく、耳に優しく、洗練された音色。無数にあるパターンからテンポや音階を決め、5年間の試行錯誤の末に「無駄をそぎ落とした聞きやすい音ができた」(バンダイナムコ研究所の高橋みなもサウンドクリエイター)。

 日産の内外装技術開発部の鈴木広行氏は新型ノートについて「時代に合わせた音を提供することで車自体が現代的な印象になった」と話す。

 エンジンを始動し、加速するときの音は、車の魅力の一つだ。脱炭素化でガソリン車の販売縮小が進む中、今後は電動車の音にメーカーの個性が表れる。ドイツのBMWは「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの映画音楽を手掛けた作曲家ハンス・ジマー氏にEVにふさわしい音づくりを依頼。日本では、今秋以降に納車するスポーツ用多目的車(SUV)の新型EV「iX」に搭載する。

 昨年12月に全面改良したトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「ミライ」は、加速感が得られる疑似の音を出せるようにした。直感的に車両の状態が分かるように、アクセルやブレーキの操作に対する車の反応を音で伝えるという。

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