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関西電力の金品受領問題 証拠乏しく起訴に高い壁

 関西電力側の金品受領問題をめぐっては、市民団体に刑事告発された八木誠前会長(71)ら旧経営陣9人に対する大阪地検特捜部の捜査が続く。刑事責任を問うのはいずれも困難との見方が強まっているが、市民団体側は特捜部が不起訴とした場合には再捜査を求めて検察審査会に審査を申し立てる方針で、特捜部は社会的な影響を踏まえ、慎重な判断を迫られている。

 地検は昨年10月、八木前会長や岩根茂樹前社長(68)、森詳介元相談役(81)ら9人を会社法違反(特別背任、収賄)や背任、業務上横領などの罪で市民団体が提出した告発状を受理した。

 ただ、金品の贈呈で主導的役割を果たしたとされる福井県高浜町の元助役、森山栄治氏が既に亡くなり、問題が続いた20年以上の間に証拠となり得るはずの資料の多くが失われた。

 告発状には、森山氏が顧問だった建設会社に、旧経営陣らが関電側発注の原発関連工事で便宜を図ったと記載。これに対し、関電側に損害賠償を求められた旧経営陣らは民事訴訟で「関与していない」と主張。多額の金品については「一時的に預かり保管していただけ」と話した。特捜部の任意での事情聴取にも、同様の説明をしたとみられる。

 捜査関係者は「公共性の高い事業で社会的影響は大きく、捜査を尽くす」としているが、関係証拠が乏しい状況にあり、起訴のハードルは依然高い。

 市民団体側は刑事処分が不起訴だった場合、検察審査会に審査を申し立てる方針を示している。検察側の再捜査を経てもなお、審査会が2度続けて「起訴すべきだ」と判断した場合は検察側の意向と関係なく強制的に起訴される。捜査関係者は「証拠関係を徹底的に精査しており、時間をかけた捜査にならざるを得ない」としている。(土屋宏剛)

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